金箔のお話③:金箔の製造工程①

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先の記事「金箔のお話②」ですでに少々金箔の製造工程をお話ししているので、この記事をもってして初めて「金箔の製造工程」とするのか微妙…と思いつつおりますが、その点はご容赦ください。

さて、金箔の製造工程には先の記事でお話ししました「金合わせ」を含め、大体10の行程があるようです(私の手元にある資料では10に分かれているので…)。ここからは「金合わせ」以降の行程をお話ししていきます(重ね重ねお手数をおかけしますが、「金合わせ」に関しては先の記事をご覧ください~。汗)。

ちなみに主に参照にいていますのは石川県箔商工業協同組合様のものですので、詳細に知りたい場合はこちらをご覧いただくとよりよいと思います(ぺこり)。

行程② 延金

文字通り、先の「金合わせ」した金合金をローラーなどで6cm×30cmほどに延ばした後、約6cm四方の小片に切り取ります。この段階で厚みは 2/100~3/100㎜。

この6センチ四方の小片を「延金(のべきん)」と呼ぶそうなのですが、ローラーで延ばした「延べ」を「延金」、正しくは「延金」である小片を「小兵(こっぺ)」と呼ぶ方もいるそうです。…って実は20代くらいに金箔工芸館(?)だったか金箔について見学しに行ったところで「延金」を「小兵」と教えらえていたらしく、「メモ」にそう書いていてびっくりしています。この記事は主に石川県箔商工業協同組合さんが出版しているものを参考にしておりますので、おそらく業界共通の認識であろうと信じています(^^)。

行程③ 紙仕込、および「小兵」(澄打ち)

先の「延金」から「上澄(うわずみ)」を作る作業に入りますが、これには5段階を経ていきます。5段階で使われる紙の名前が「小兵」→小兵から「荒金」→荒金から「小重」→小重から「大重」→大重から「上り」と変わります。なお、「上澄」というのはおよそ 1/1000㎜厚に延ばしたものを指します。

まず最初に「延金」を12.6cm角の「小兵(こっぺ)」に載せます。これを約200枚分重ねます(小兵で延金をサンドイッチしたものが200重ねという感じです)。この200枚全体の上下に、いわゆる本の表紙のように「ふるや」と呼ばれる紙を30枚ほど重ねて当てます(「ふるや」はすでに古くなって打紙として使えなくなった紙のことを指すようです)。それを「袋革」で上下を覆い、全ての重なりがずれたりしないように「乳革」で留めます。このように準備をして、まず第一段階「延金」を叩き延ばすのです。

なお、私のメモ(20代の頃に見学したときに残しているもの)では、「袋革」は牛の皮で、「乳革」は猫の皮とあるのですが…(汗)、文献とかの資料がないので、興味のある方は実際に色々調べてみるとよいかもですね。

行程④ 荒金(澄打ち)

「延金」が「小兵(12.6cm角)」いっぱいに打ち延ばされると、「荒金(あらがね)」という名称の16.8cm角の澄打紙に一枚一枚移し替えられます。「小兵」の移し替えられた澄打紙の「荒金」をまた約200枚重ね、上下にふるや、さらに上下に「袋革」を重ね当て、「乳革」で留めて、「小兵」の時と同様に16.8cm角いっぱいになるように打ち延ばします。打ち延ばされた金合金も「荒金」という名称で呼ぶそうです。

現代ではこの「荒金」までの行程において使われる澄打紙はハトロン紙だそうです。

行程⑤ 小重

先の、16.8cm四方角程度に延びた荒金を、縦半分・横半分の4等分にカットします。…。四等分カットだと大体8.4cm角四方になると思うのですが…、資料では約6cm四方角とあるので、もしかしたら荒金の端っこをカットして整えてから4等分カットをするのかもしれません。こう、やったことがある方はわかるかもですが、粘土でも、クッキー生地でも、パイ生地でも、延ばすと端っこがピンと直線ではなくて、不揃いなむにゃむにゃした形になるので、「きちんとした直線がほしいよ!」とか「きれいな四角形がほしいんだ!」みたいな時は端っこをカットするんですね。そういうイメージで金合金のシートも一度カットするのかも…。

で、その四等分した約6cm四方角の小片を18.3cm四方角の「小重」と呼ばれる澄打紙に挟み、またその澄打紙のサイズ程度になるまで金合金を叩いて延ばします。

この際に使用される澄打紙は、金沢市二俣産の「西の内紙」と呼ばれるものが使用されているそうです。この「西の内紙」は明治時代以降から使われているようで、「小重」以降の作業ではこの紙を使っているそうです。

行程⑥ 大重

金合金が「小重」サイズ(18.3cm)に延びたら、これを21.6cm四方角の「大重」に移し替えて、この紙のサイズいっぱいになるまで叩き延ばします。

私はただ資料を読んでいるだけの人なので、「えっ、なんで移し替えるの?最初から大重で叩いちゃだめなの?」と疑問一杯だったりするのですが、なぜこの「小重」と「大重」を分けるのでしょうね??知っている方がいたら教えてほしいです(笑)。使っている紙も同じだし、違うのは大きさだけ、みたいに素人目には思っちゃうんですけどね(汗)。なんでだろう??

ちなみにこの作業工程の段階で 3/1000mmの厚みまで打ち延ばされるようです。

行程⑦ 上り

「大重」で延ばされた金合金は化粧鋏で整形した後、「上り(あがり)」という澄打紙に移動させてまた打つようです。

ただしこの「上り」は金合金を大きく延ばすことを目的とするのではなく、美観を整える、すなわち「艶を消す」ために行われるそうです。

この段階を終了した金合金のシートを「打上り澄」と呼ぶのだそうです。

…とここまで書いていて、すでに長くなっていることに気づきました。記事2回分くらいで終わると思っていたのに。というわけで本日はここまで。本日も当記事を読んで下さり、ありがとうございます。次回も続きますのでご覧いただけましたら嬉しく思います。ではでは。

#金箔 #技法材料 #文化財保存修復 #油絵保存修復

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