~プロフィール
初めまして、ブログ主です。
現在は主に東北および北陸で油絵の保存と修復に関し、フリーランスの業態でお仕事をしております。
経歴としましては、日本の大学の油絵科にて学士課程卒業。
そののち日本の国立大学大学院にて油絵保存修復に関し修士修了。
日本の国立博物館の保存修復課の臨時職を経て、ヨーロッパの国際機関(王立文化財修復研究所)にて修復関連研修。
その後、地元美術館併設保存修復工房にて「表具関係」の研修をさせて頂き、再度ヨーロッパの大学にて保存修復関連を深く学ぶべく6年留学(ただし大学院中退)。この留学中における夏休み中は、王立図書館、王立修復研究所、個人の修復家の元で研修活動を実施。この際に、紙(洋紙)や壁画、スグラッフィートなどの修復あるいは展示関連の実地で研修。他大学内でもガラスや彫刻、版画の修復基礎の学科および基礎処置のほか印刷や製本を学ぶなど、幅広い知識と経験を獲得。
帰国後フリーランスの業態で開業し、その間学会発表などを実施。
その後日本の某大学の保存修復学科の専任講師および同大学付属保存修復センターの研究員として就任。学生に西洋絵画の保存修復に関して教えつつ、作品の保存修復の調査および処置に携わる。
任期満了後、フリーランスの業態に戻ると同時に、同大学付属保存修復センターの客員研究員として就任。 ←現在ここ
海外にて調査・研究・修復に関わりました一部作品例を制作年代順にしますと(個体判別ができないよう、具体的な所蔵やどの作品かが不明瞭なよう、曖昧記載にさせていただきます)、
- 「二人の聖司教と寄進者(仮題)」(作者不明)、教会所蔵、14世紀末?あるいは15世紀頭制作作品、板に油彩、修復事前調査研究
- 「多翼祭壇画の中央パネル」(伝Martin de Vos)、16世紀後半、板に油彩、修復
- 「H.Barbar」(作者不明)、教会所蔵、17世紀、画布に油彩、修復事前調査研究
- 「守護天使に導かれるキリスト(キリスト部分)」(作者不明)、18世紀、彩色彫刻(木彫)、修復
- 「Château de Spytenburg」(作者不明)、個人所蔵、18世紀(?)、板に油彩、修復
- 「肖像画」(Alfred CLUYSENAAR)、大学所蔵、19世紀、画布に油彩、修復
- 「風景」(VAN DAMME frans(franz))、個人所蔵、19世紀末あるいは20世紀初頭、画布に油彩、修復
以上のとおり、16世紀以降、どの世紀のものも調査・修復させて頂いておりますが、数としましては16世紀と19世紀があくまでも比較としてはとなりますが、多い形となっております。
また、日本で調査・修復した一部作品例を上記と同じ数だけ抽出しますと(こちらも曖昧記載となります)、
- Jean François MILLET作品、美術館所蔵、1860年頃、画布に油彩および紙にパステル、展覧会のための作品移送前の状態調査
- 「肖像画」(Henri RONDEL)、個人所蔵、19世紀末あるいは20世紀初頭、画布に油彩、修復
- 「風景」(中川一政)、美術館所蔵、20世紀、画布に油彩、修復
- 高光一也作品、企業所蔵、20世紀、画布に油彩、修復
- 森田亀之介作品、大学所蔵、20世紀、板に油彩、修復
- 国領經郎作品、美術館所蔵、20世紀、画布に油彩、保存的処置
- 「風景」(菅野廉)、美術館所蔵、20世紀、画布に油彩、修復
以上のとおり、日本の場合はやはり日本人画家さん関係のご依頼が多いことがお分かりいただけると思います。また、美術館・博物館さんのご依頼だけでなく、企業様、個人様の所蔵作品に関してもお引き受けしております。たまたま上記は殆ど油絵作品ばかりではありますが、お引き受けしたものの中には紙に水彩作品のご依頼などもございます。
また、海外留学時は金箔古典技法などを複数学ぶ機会などもありましたので、修復だけでなく制作にも役立つかもしれない(?)お話などもできたらよいなと思いつつおります。
よろしくお願いいたします。