この記事は、全く文化財や美術とは関係のない記事となります。ご容赦ください。
先日思うところがありまして、ネット上であることを調べていましたところ、2020年末から2021年の2月位の3カ月間の話で、こんなことが起きていたのか、ということを知り、当記事をメモ代わりに載せておこうと思っております。
具体的にベルギーという国で何が起きていたのかというと、この3カ月の間、美容院が強制的に営業停止させられてしまっていた、ということです。
「強制的」というのは、開店しているのが見つかると「罰金」が科せられている状態であるというところからです。
とはいえ、髪が長い女性(あるいはいくばくかの男性)はまだ我慢できても、ショートヘアの女性や男性なんかは数カ月美容院にいけないとなると困りますよね。
ですので、いわゆる美容院の「闇営業(noir)」が発生したり、国境近くの国外の美容院に髪を切りに行く方が続出したんですって。
ベルギーという国の国土面積は、おおよそ九州の8割程度な上、隣接する国は、フランス、オランダ、ドイツ、ルクセンブルグと海に面しているところ以外は国境となるので、長くとも2~3時間程度車を走らせると国境に着くことを考えると、国をまたいで開店している美容院に飛び込むほうが建設的なアイディアですよね。
でも同時に、その隣接する国々、特に国境近くの異国の美容室の方々は、「同業者の顧客を奪うようで…」とこれまたお悩みの上、「もともと顧客なベルギー人は受け付けるけど、そうではない人の予約はとらない」などをしていたりする模様。
髪を切れない、セットできないベルギーにお住まいの皆々さまからすると、本当に「どうしろっちゅーねん」という感じですよね…。2021年2月からは美容院も再開しているので、やれやれではありますが。
ちなみに「闇営業(noir)」というと、本当に真っ黒な感じがしますが、正直どのくらい「ダメな行い」なのかはブログ主には正確な知識はありません。おそらく「課税されるほど」がつがつ働いてしまって、税務署あるいはこの場合は「禁止している」のが「国」であると思うので、「国」に目を付けられると、課税と罰金の両方がやってきそうだなとは思います。
というのも、通常モードにおいて、いわゆる国が目をつぶっている「noir」のお仕事というのがベルギーにはあるからです。「闇営業」を国が目をつぶっているって変ですが。
というのも、どういうものを「闇営業(noir)」とするかということが大事になるのですが、ベルギーの場合、通常労働が行われ、その対価を支払う際は銀行を通します。日本にも、日払いの現金払いのようなお仕事はありますが、一般的には銀行を通して労働と金銭のやりとりをしていますよね。
しかし「闇営業(noir)」の場合は現金払いであることが一般的なのです。
この「現金払い」が「闇営業」とどうつながるかといいますと、例えば「現金が行きかい」する反面、「国」や「税務署」がキーキー言わない例とつながります。
例えば日本の場合だとこの時期「お年玉」だったり、親や親戚などからの「お小遣い」もそうでしょう。これの海外版だとクリスマスにお小遣いが渡されたりしますので、「現金の移動すなわち悪」にならない例があるためです(面白いことに、お年玉もクリスマスのお小遣いも、銀行同士のやりとりってしませんからね)。
あるいはこういう例もあります。親戚の高校生のお兄さんあるいは、近所の大学生のお姉さんに、中学生の子供が勉強を見てもらった。そのお礼としてお小遣い程度ではあるが、現金が渡される、ということもあるでしょう。
これ、もし全然血縁でもご近所でもない人であっても、「お友達の息子さん」とかなんだとか色々言い訳すれば、「どこまでが嘘か」なんて正直ぱっと見にはわかりにくいですよね。かつ、いちいちそんな細かいことを税務署も国も一つ一つ確認しているほど暇でもないということで、目をつぶっている、ということです。
でも、こういうパターンは、生活を支えられるほど「稼げない」ですよね。稼げない、ということは、「課税対象ではない」ということで、目をつぶっているというわけです。
こういうごくごく曖昧なライン引きの中でお金を得るお仕事が「闇営業(noir)」であることから、大々的な宣伝とか、大々的な活動はできません(親戚やご近所相手に宣伝しないですよね?)。あくまでも秘密裡に、です。
そういえば、ブログ主がベルギー在住1年目の時に、よい美容院を紹介してと日本人の知人に相談したら、その方の友人である休業中の美容師さんを紹介していただいて、お小遣い程度の謝礼で髪を切ってもらっていたんですね。こういうの、まさに「noir」ですね。
ただ、その方はとても人柄もよく、腕もものすごくよくて、口コミで人が集まっちゃったのかな?あるいは噂が広まってしまったのかもしれないです。どうしてかはわからないですが、税務署が来ちゃったということで、色々あったと想像するのですが。
ですので、結局のところ宣伝していなかろうが、がつがつしていなかろうが、「仕事」として成り立ってしまうほどにお客さんがきちゃう状態になると、周囲が気づいてしまうのかもしれませんし、タレコミなんかもあるのかもしれません。だから課税や罰金の対象になっちゃうのですが。
しかしながら、ベルギーという国は美容師さんの生活をどうしようとしていたんでしょうね(汗)。切ってくれる美容院にたどり着けなかった皆様は、セルフカットとかしていたのかなぁ??
2年近く前のニュースではあるのですが、本当につい先日見つけてしまい、びっくりしましたので。
日本でこんなこと起こらなくてよかったですね…。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
ちなみに参照:
Coronavirus en Belgique: leurs salons fermés, les coiffeurs craignent une catastrophe – RTL Info
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