【用語】顔料に関する概要(ベルギーでの大学での授業Ver.7):昔の主要な顔料1

用語

6つ前の記事より、ブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となりますが、「顔料」というものを理解するために、用語の勉強として記事にしております。過去の記事もよろしければご覧ください。

上記各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。

また本日からは、昔の主要顔料について、あくまでもかいつまんだ説明のみを記載します(海外の大学時代の、1年生の前期に受けた授業のプリントの翻訳です)。なお、顔料の種類によって説明の記載量の違いがありますので、記事の内容の濃さの違いや文字数の相違などが出ます旨は、先にご理解いただけるとありがたいです。

また別途同じ内容に関し、日本の複数文献などでどう書かれているかなどをまとめたいなぁと思いつつおります(^^;)。

大学にて教鞭をとっていたときに、学生さんに「同じ内容に関し複数の文献(ネット記事ではなく、本や報告書のように活字となったもの)を確認しましょう」とお伝えしていましたが、1つの文献だけでなく複数の文献を確認することはとても大事です。

なぜならば、「事実は一つ」でも、それを調べ、文章にした人が「いつの時代に」「どのような目的」で、「どのような感性で」、「どのような人を対象に」などなどなどを基盤として文章にしたのかによって、「書かれ方」「事実の捉え方」が異なることもあるからです。

例えばですが、日本だけでも複数の新聞社があり、毎朝コンビニでも駅中でも複数の新聞が販売されていますが、その内容としておおよそ取り上げられている主要項目などは同じようなものが掲載されているでしょう。しかし、世のきちんとした大人の方は、「新聞の読み比べ」をしていたりします。

なぜか。

同じ項目(事実)に関することでも、それを書く記者(あるいはその背後にある新聞社)の捉え方(あるいは根本的思想など)によって、その事実の捉え方が異なることがあるためです。例えていえば、一つの物体を朝の光で見ているのか、昼の光で見ているのか、夕方に見るのかでも見え方が異なるように、複数の人間が同一のものを見ていても、必ずしも同じにものを見ているとは限らないことが、世の中にはあります。ですので、毎日の新聞であってすら、「どこそこの記者(あるいは新聞社)が正しい!」ではなくて、あくまでも「中庸に、フラットに、ただ事実のみをより理解するために」複数の新聞を読む大人がいるわけです(勿論各新聞社によって得意範囲が異なる、ということもあります)。

本や文献などは、専門の研究者が調べたことが書いてあるのだからそんな読み比べは必要ないと思われそうですが、実際授業で学生に3冊の本を読み比べさせると、同じ単語(名詞)に対し、真逆の説明がなされていることがあったり、微妙に意味の違う説明があったりすることに気づいたとよく驚かれます。

ですので、実際ブログ主も現在シリーズで訳しているプリントを見ながら、「あれ?」と思うことなどもあるのですが、そういう気づきがあるときがチャンスで、その際は色々な文献を再度見直したり、あるいは自分自身が文章の捉え違いをしていないかを考えるよい機会になると思います。

ブログ主自身、こういう単語などに関していろんな本を読み、日本と海外で勉強しましたが、その都度「こういうことが言いたかったのか」と気づきがあったりします(賢い方は一気に理解をされるのかもですが、ただ本を読むだけでなく作品の実例に出会ったり、違う視点に立てたときに、新たな気づきが得られる気がするのです)。

というわけで以下、本日の記事です(前置きのほうが長いという… 汗)。

プリントの内容:青色の顔料1

アズライト

屈折率:1.75~1.85

耐光性が大変よい

  • 塩基性炭酸銅:テンペラや油の中でのよいあり方:銅を主成分とする全ての顔料のように、油の層の乾燥や反酸化作用を持つ
  • ハンガリーやドイツのようなヨーロッパが主産地であった
  • 顔料は単純に粉砕され、洗浄された
  • 色の強さは水和の程度と同様に顔料微粒子のサイズにもよる:大きい粒子は青緑の色味を持つのに対し、粒子が細かくなるにつれてより色味が薄くなる上、弱い着色力をもつもり緑色をもつ顔料となる
  • よりよりクオリティのアズライトは大変高価であるため、細かい粒子のより緑味のあるより薄い色の下層の上にグレーズをかけるためい使用される
  • しかしながらしばしばラピスラズリを塗布する前の下層として用いられる

プリントの本文

Azurite

Indice de réfraction: 1.75 à 1.85.

Très résistant à la lumière.

  • carbonate basique de cuivre: bon comportement dans l’huile et à la tempera. Comme tous les pigments à base de cuivre, il est siccatif et a des effets antioxydant sur un film d’huile.
  • la principale source semble avoir été la Hangrie mais aussi l’Europe comme l’Allemagne.
  • le pigment était simplement lavé et broyé
  • l’intensité de la couleur dépend de son dégré d’hydratation mais aussi de la tille des particules: les grosses particules ont une forte couleur bleu-vert, alors que les fines particules sont plus pâles et plus vertes avec un faible pouvoir colorant.
  • les meilleures qualité d’azurite pouvait aussi coûter très cher et être utilisées en glacis sur une sous-couche plus pâle et plus verte de fines particules
  • mais le plus souvent en sous-couch avant lapis-lazuli.

本日のまとめ的なもの

本日からは、ベルギーの授業の中でも古典の主要顔料についてみていくことになりますが、日本の書籍でも顔料に関しては色々調べることができますので、もしご興味がありましたら、色々な本を比較参照していただけるとよりよいかと思います。

もし文化財関係の学生さんなどが当ブログをご覧になられていたら、ですが、当ブログをレポートや論文に使用するのはおやめくださいね。きちんと参照を記載することができる文献を是非ご覧ください。あくまでも当ブログはきっかけや、サポート程度にご利用ください。

というわけで本日はここまで。最後までお読み下さり、ありがとうございます。

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