この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである「顔料」を理解する足がかりの一つとして記事にしております。
このシリーズの最初のものや、直近の記事で他の緑色を取り扱った記事などの過去の記事もありますので、よろしければご覧ください。
また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。
この記事も緑色の顔料の話になります。対象となるのは、テールヴェルトです。
プリントの本文:緑色顔料4:テールヴェルト
屈折率:1,6
テールヴェルトは沢山油を吸収する。そのことがテールヴェルトの暗色化を引き起こす。
この顔料は光に対して耐え、油やデトランプに対して安定している。
熱の作用によって褐色になる。
顔料としてのテールヴェルトの使用は古代ローマから証明される。
テールヴェルトは岩石であり、オークルのようにこの顔料はその産地によって著しい色彩のヴァリエーションを見せる。
2種の主要な鉱物がテールヴェルトを構成する:セラドナイト(灰緑色)とグローマナイト(海緑石)である。
セラドナイトは火山油彩の鉱物であることが明らかである:セラドナイトは比較的純粋でむしろ少量の状態で見受けられる。反対にセラドナイトを起源とするグローマナイトより豊富に普及し、顔料の様々な特徴、とりわけ色彩や不透明さに関わる特徴を示す。
セラドナイトはグローマナイトよりもより青緑で色彩が明確である。
プリントの本文
Terre verte
Indice de réfraction: 1,6
Elle absorbe beaucoup d’huile, ce qui peut amener des assombrissements.
Elle résiste bien à la lumière, est stable à l’huile et à la détrempe, peut brunir sous l’actionde la chaux.
L’utilisation des terres vertes comme pigments est attestée dès l’Antiquité romaine.
Les terres vertes sont des roches et comme les ocres elles peuvent présenter des différences notables suivant leur provenances.
Deux minéraux principaux constituent les terres vertes: la céladonite et une glauconie. La céladonite est un minéral bien défini d’origine volcanique; il se rencontre sous une forme relativement pure et plutôt en petites quantités. A l’opposé, les glauconies, d’origine sédimentaire sont beaucoup plus répandues et présentent des caractéristiques pigmentaires variables notamment pour la couleur et l’opacité. Les céladonites donnent des vertes plus bleus et plus saturés que les glauconies.
本日のまとめ
テールヴェルトは今でも画材屋さんで、チューブの形でも顔料の形でも購入できる絵具(顔料)ですね。
土製顔料ですので彩度などとして落ち着いた色ではあるのですが、個人的には油絵を描いていたころにはよく使用していた緑色です。
チェンニーノ・チェンニーニがテンペラで肌部分を描く際の下塗りにもお勧めしている緑色ですので、顔料として使い勝手の良さもあるんですよね。
「そんな絵具(顔料)あったっけ?」とお思いになられましたら、是非一度画材屋さんに足を運んでみて、探してみてください。
というわけで本日はちょっと短めではありますがここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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