【用語】絵具に関する概要(ベルギーでの大学での授業Ver.21):結合剤と希釈材1:概要

用語

毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。

絵具というのは、残念ながら1つの素材で1つの絵具になっているものはなく、最低限色を担当する素材とそれをまとめ、基底材などに固着させ、結合するような接着成分のあるような素材の2種が必要です。

このシリーズの直近まではその絵具の「色」を担当する顔料の一部について記載をしておりましたが、ここからはもう一つの素材である「結合剤」あるいは結合剤とは異なるのですが「希釈材」についてお話してまいります。もしシリーズの中で、当記事が最初の記事という方がいらっしゃる場合、ご興味がありましたら当シリーズの最初からや、顔料の記事も一緒に読んでみてもよいのかもしれません(^^)。ご随意に。

また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。

本日は結合剤・希釈材に関する概要を記事としますので、よろしくお願いします。

プリントの本文:結合剤と希釈材:概要

結合剤と希釈剤

絵画材料は常に2つの主要カテゴリーの混合物から得られる:結合剤と顔料である。

顔料は色彩の粉で、その色彩の質(ありのままの色彩、鮮やかさ、光への耐久性、着色力など)うやその粉体の細かさの質などによって選択される。粉体の細かさは、結合剤の中で顔料自体がよく分散することに関わる。

結合剤は多くの役割を満たしうる。

  • 一方は、顔料あるいは場合によっては体質顔料や様々な補助剤など、おおよそ様々な粉体で、それ自体になんら凝集する能力のない描画素材を構成するものに、ある種の凝集力(まとまるための力)を与えうる。 液体の描画材料は実際さらさらしてて均質である必要がある。結合剤のおかげで、異なる粉体同士をコーティングすると同時にぴったりくっつけ、そのことにより描画素材は画材としての質を獲得しうる。
  • 他方、結合剤は状態を変えることができる。結合剤は液状を経て、描画しうる状態を過ぎ、やがて個体となる。この個体への変化によって描かれた作品は、堅牢さと耐久性を獲得する。

プリントの本文

Les liants et diluants

Une matière picturale est toujours en mélangeant deux catégories de corps: les liants et les pigments.

Les pigments sont des poudres de couleurs, choisies pour la qualité de leur couleur (nature de la couleur, vivacité de celle-ci, résistance à la lumière de l’effet coloré, etc) et la qualité de leur finesse, qui doit leur permettre de bien se disperser dans la liant.

Les liants doivent remplir plusieurs fonctions:

  • D’une part, ils doivent donner une certaine cohésion aux pigments, aux éventuelles charges et aux différents adjuvants qui composent la matière picturale et qui sont presque tous des poudres, c’est-à-dire des corps sans aucune cohésion. La matière picturale liquide doit en effet être fluide et homogène. Grâce aux liants qui enrobent et agglutinent les différentes poudres, la matière picutrale peut posséder ces qualités.
  • D’autre part, ils doivent aussi être capables de changer d’état. Ils doivent pouvoir passer d’un état liquide, qui permet de travailler la matière picturale, à un état solide, qui conférera à l’oeuvre peinte solidité et résistance.

本日のまとめ

今回は結構専門的な単語がでてきたように思います。

体質顔料については過去の記事にて説明しておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

料理とかでもそうですけど、市販のカレールーを使わずカレーを作ると、なにがカレーにとろみを与えているのかとか、どういう素材を代替として使えるかとか、そういうことを考えることができるのと同様に、絵具も一度自作してみると「結合剤」ってなんだろうってことを深く理解できたりします。実際美術系の教育機関(大学や大学院、あるいは専門学校的なところなど)では、1年生段階で絵具を自作させる経験をさせていると思います。

そういう専門的な機関にいかずとも、最近は美術系大学のオープンキャンパスや、趣味のサークル、あるいは市販の本などを参考にして独学でも絵具を自作することは可能ですので、そういう経験をしてみても面白いかと思います。

ということで本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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