毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。
絵具というのは、残念ながら1つの素材で1つの絵具になっているものはなく、最低限色を担当する素材とそれをまとめ、基底材などに固着させ、結合するような接着成分のあるような素材の2種が必要です。
このシリーズの直近まではその絵具の「色」を担当する顔料の一部について記載をしておりましたが、ここからはもう一つの素材である「結合剤」あるいは結合剤とは異なるのですが「希釈材」についてお話してまいります。もしシリーズの中で、当記事が最初の記事という方がいらっしゃる場合、ご興味がありましたら当シリーズの最初からや、顔料の記事も一緒に読んでみてもよいのかもしれません(^^)。ご随意に。
また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。
本日は結合剤・希釈材に関する概要を記事としますので、よろしくお願いします。
プリントの本文:結合剤と希釈材3:概要3
エマルション(乳濁液):エマルションは2つの不溶性の溶液の一方が別の一方の中にある分散系です。液体の一方が外相層あるいは分散剤を形成し、他方は小さな細かい水滴状態となることで内相層あるいは分散した状態を形成する。
この外相がエマルション全体の特徴を決定する:このようにエマルションは《水の中の油》、つまり水は粘着性の値やエマルションの特性を弱める。よって脂肪分の少ないエマルションに油を加えると濃くなり、逆に水あるいは水性の溶液を加えるとより流動性が高くなる。《油の中の水》の形のエマルションは高脂肪のエマルションである。
これらのエマルションは不安定であるが、界面活性剤と保護コロイド(他の分子よりも寸法が大きく、媒体の粘度を増加させる分子)によって安定化させることができる。
プリントの本文
Emulsion: les émulsions sont des dispersions de deux liquides insolubles l’un dans l’autre. L’un des liquides forme la phase externe, ou dispersante, l’autre est réduit à l’état de fines gouttelettes et forme la phase interne, ou diepersée.
C’est la phase externe qui détermine les propriétés de l’ensemble: ainsi, dans une émulsion “huile das l’eau”, c’est l’eau qui déterline la valeur de la viscosité et le caractère de l’émulsion. C’est alors une émulsion maigre qui épaissit quand on ajoute de l’huile et qui se fluidifie quand on ajoute de l’eau ou un solvant aqueux. L’émulsion “eau dans l’huile” est une émulsion grasse.
Ces émulsions sont instables mais pouvent être stabilisées par des surfactants et des colloïdes protecteurs (molécules dont les dimensions sont olus grandes que celles des autres molècules et qui augmentent la viscosité du milieu).
本日のまとめ
過去の他の記事でもエマルションに関して記述でしているのですが、「油性」「水性」への理解が簡単でも、この単語がでてくるとわからなくなるって方は結構多くなります。単語が身近ではないからでしょうね。
よくよく言われる身近なエマルションはマヨネーズです。あと以外なエマルションは牛乳かな。マヨネーズの例が分かりよいと思うのですが、酢(水性)と油(油性)と卵(水と脂肪からなる)でできています。キューピーマヨネーズさんのホームページも参照しましたが、これはまちがってはおりません。そして、油の割合の多い素材ですので油性のエマルションとなります。この時水分と油分の関係性は、油分の液体の中に、ごくごく小さな水滴状態の水が分散状態で浮いている形となります。
いわゆる溶解とは違う形状なんですね。牛乳もそうなのかーと思うと毎度びっくりしますけど(^^)。だから、牛乳は水分の多いほうのエマルションで、水分の中に油分とか脂肪分がごくごく細かい水滴状態で浮いているんでしょうね。
こういうことが理解できると、過去の記事にも書いております下地への理解や、絵具への理解が容易になりますし、これが理解できると修復素材に関しても段階的に理解できるので結構重要だったりします。
ややこしい話をできるだけかみ砕けるとよいのですが(^^;)。
本日はここまで。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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