欧州で文化財関係の研修を望むなら、先に留学するのが吉かも①

修復を学ぶ

本日の記事の内容は、かつて何度か「知人の知人」のような遠い関係の方から「ブログ主さんが海外研修した場所で研修したいんです!」ということでお問い合わせいただいた時に返答としている内容です。

先に申し上げますと、ブログ主自身、日本の国立大学大学院にて文化財関係を学び、某国立博物館で臨職をした後に、EU圏内の国の、この業界ではよくよく知られている機関にて海外研修をしております(詳細はこのブログのプロフィールをご覧ください)。さらにこの海外研修後に6年留学をするという、周囲(EU圏勢)から「順番が逆」と苦笑いされまくった経験があります。そういう、一応日本の大学、大学院を経ている上で、留学(大学、大学院)も経験し、海外研修もやっている身の上としての実感としてのお話であることを先にご理解ください。

またこの記事だけの内容としては、研修云々のことではなく、情報収集する際の注意点といいますか、そういうことをお話させてください。

こういう「海外研修をしたいのですが」というお問い合わせをする場合、大体において知らない人(人づての場合は、中間の人を介しているだけ)にお伺いをすることが多いですので、最低限失礼のないよう連絡をしていただけたらな、と思います。

なぜなら、別段問われる方にはなんの利益もないのに、時間をとられ、労力を強いられるためです。これ、せめて教員とかどこぞの組織勤めの方ならまだしも、自営・フリーランスの方の場合は「時間=お金」ですので…いろいろ長い文章(メール)を書くことを強いられるのはしんどいです(これはいかなるお仕事でもそうかと思います)。だからでしょうね。ブログ主が学生の頃は、指導担当教員から「外部の人にお願いするなら、相手の元にお手紙して、お約束して相手の元にお伺いを」と言われたものです。

例えばですが、自分が情報を持っている立場だとして、でも仕事や学校の課題やらなんやらで決して暇ではない身の上であることも前提で、いきなり知らない人からメールで、「その情報、ちょうだい、ちょうだ」といわれたら、どうでしょう?知らない人のために、A4用紙2枚以上の情報をメールで書く、なんて労働できますか?嫌ですよね(笑)。

大概の質問者の方のメールの文面は非常に丁寧で全然失礼ではありません。ですので「失礼って?」と思う方が大半だと思います。でも、丁寧な文章に書かれている内容としては「おまえが頑張っていっぱい私に情報をくれ」という、説明をする側のアクションを望む文章のみがメールに書かれている、というのが少なくともブログ主のところにくる質問の通常だったりします(苦笑)。

「情報がほしい!」という立場の方からすると、「簡単に情報がほしい!」だけで、相談される側からすると意外なほどにこちらの気持ちに寄り添ってくれていないことが多いのです(これはブログ主だけでなく、やはり質問される経験の多い周囲の海外研修・留学経験者の誰もがいいます)。ですので相手が誰であろうと(ブログ主だけの気持ちの話ではなく)相手の気持ちや状況などを配慮してくれることって大事かなと思う旨、ご理解ください。実をいうと、過去に何度も失礼な扱いをされて「もう海外研修(留学)関係の質問をする人には答えない!」という人もゼロではないのです…。そういうことを専門とするお仕事の人(金銭などの利益がある)ではない限りは。

その上で、今までブログ主にお問い合わせをしてきた方に告げてきた回答を先に簡潔に書きますと、おそらく現在「日本の大学あるいは大学院を卒業しただけの方」は、少なくともブログ主が研修した先で研修を受けることはできないのではないかと推察しています。だからこそ、EU圏での海外研修を希望するなら「まず現地の大学に留学」したほうが早い、と考えています。もしかしたら場合によってはEU関連の国全体においてそうかもしれない…と思うものの、あくまでも勝手に個人的に思っているだけですのでその点は各自で各所の研修に必須な事項をご確認ください。

また、EU圏外、例えば英国とか、ロシア、東欧、アメリカ、中国、韓国などはこの記事の内容の対象外ですので、その点もご理解ください。EU圏外の国に関しては正直に、わからないので。

おそらくここまでの段階で、「なんて意地悪な回答をするんだ!」と思う方が大半かと思います。ええ、海外研修したい方からすると、ほしい回答ではないので…申し訳ないのですが。

また、「ブログ主は研修できてるじゃないですか?!」とか、あるいは先に研修先の研修候補者の項目に「マスター(修士)修了者」とあるのだから、「修士修了者の私には研修を受けられる権利があるはずなのに?!」と思った方もいらっしゃると思います。

ですのでこの後に続く別記事にて「なぜEU圏に関してこういうことを思っているのか」ということをお話しようと思っています。

また、今回の記事がほとんどタイトル通りではないような…と思われている方もいるとは思いますが、なぜこういう内容を書いたかも、おそらくこの記事含め5つのシリーズを全て読まれるとご理解いただけるかなぁと思いつつおります。

なんていうんでしょうね。だいたい研修できる機関というのは多くはなくて、しかも国の機関だったり大きな機関だったりします。ですので、当然そういう機関の制度が「がばがば」ではないということが大前提です。だからこそその機関が設定しているハードル以上の人間しか通れない…ということをお話したいのと同時に、それでもその機関にいるのは「機械」ではなく人間だということもお話したく、当記事では一見海外研修とは関係なさそうに見えるお話をしました。

というわけで本題に入りたいところですが、すでに長く書いておりますので本日はここまで。最後まで読んで下さりありがとうございます。

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