絵画保存修復を学ぶなら、別に日本に限らず、留学という手もありますよということで、留学について本日は少しだけお話しようと思います。
海外の大学は入るのは簡単、出るのは難しい?
一般的に、日本の大学は入るのは難しいが、出るのは簡単といわれる反面、 海外の大学は入るのは簡単だから出るのは難しいと定説で言われています。
少なくとも私が10代のころに日本の大学入試についてはそうだったなぁと思う反面、 最近は学校によっては総合型入試などを実施しているので、あまり「大学に入るのが難しい」と いう印象がないのが、あくまでも個人的な感想だったりします。
では逆に海外の場合はどうかといいますと、こちらも学校に依る、というのが回答です。 私が入学した大学は、入試試験が7日間ありましたし、入試の手続きをしたとたんに、 100ページの論文のコピー(1枚に2ページ分が縮小コピーされているので、 実に200ページ分の論文)を渡され、それを完読して面接に臨まねばらならず、 死ぬかと思いました…。 あるいは、私の留学先ではありませんが、某国の国立大学の入試も難しいことで有名です。
逆に卒業することを考えると、正直日本の大学は出るのは難しくはない気がします (自分が修了した専門のことしかわかりませんが…)。 これに対し、とくにヨーロッパの学校は、小学校の段階でも「習得してなければ留年」という世界 ですので、おざなりに単位をくれたり、進級させてはくれません。 アメリカなどの大き目の大学では、夜中も学生が使える自習室みたいのがあって、 そこで毎日寝る時間を惜しんで勉強したり、母語じゃない学生のためにレポートの サポートの先生がついているらしい大学もあるようですが、そういったオプションの有無は さておき、全体的に西洋世界の大学の場合は、学生生活をエンジョイするのと同時に、 必死の勉強がセットとなります。留学生に限らず、母国の人、母語が使える人でもね。 (ただ、西欧人は、オンオフの付け方が本当に上手で、だらだらやらずに、 「この時間までに!」ってばしっとやるイメージ)
ちなみに、留学先で知り合った東南アジア系の学生さん(当時で40代くらい?)は、 日本の青学の学部と東大(だったかな?)の大学院の経験者でしたが、 「(ヨーロッパの留学先の)大学のほうがはるかに勉強が大変」とおっしゃっていたので、 まぁ、そういうことなのだと思います。
ただ、私自身もそうですし、私の周囲もそうなのですが、 「日本の大学卒」あるいは「大学院卒」の上で留学する方しかいませんので、 「高校卒業してすぐ海外留学」のパターンはちょっとわかりません。 ただ、「日本の大学卒」から「留学先として大学院」のパターンで、「試験なし?!」なのか、 「ほとんど試験らしい試験がない」ような場所もあるようですので、そういう場所を狙えば、 海外留学も敷居が低いかもしれません。
周囲の反応:なぜ止められるんだろう
私自身留学前に、留学経験者(日本人)から「留学なんて、いいことないよ。 辛いことばかりだから、やめたほうがいいよ」と言われておりました。 また私自身、留学を経験した後に「留学をしたい」という方がいたときに、相手によっては 同じセリフを言いました(苦笑)。
時々スピリチュアルだか、精神世界関係の人が、「他人のやりたいことを止めようとする人は、 それはその人があなたをうらやましいと思っているからだ」みたいなことを言っていたり しますが、留学経験者の場合はそうではありません。 「海外研修経験者」と「留学経験者」の間では感じる部分が結構違っておりまして (ちなみに「語学留学」は「留学」に含んでいません)、 私自身「海外研修」はめちゃくちゃ楽しかったのですが、留学生活では文字通り、 毎日泣きました…。悔しくて。 母語であればとか、もっと現地語ができたらとか。 留学経験者に話を聞くと、私だけでなく、毎日泣いたという方は結構いますし (大概の方は悔しくて、ですが。苦笑)、私がまだ海外研修中だった頃に、 日本人の留学生が自分で自分を…というニュースが入ってきたこともあります。
ですので、留学経験者が留学希望者を「止める」場合は、 「夢見がちになっていないかな?」とか、現実的な計画として大丈夫か?ということを、 留学希望者の心に少し投げかけたい時かもしれません (留学経験者は、結構留学希望者にいろいろ相談されることが多いので、 尚更かもしれません)。
実際ブログ主が「留学って楽しいことばかりではないよ」というときは、 「他人が止めたくらいでやめるのなら、それだけの覚悟しかないってことだから」と思いながら 言っています。 これも私自身が留学する前に読んだ、 留学経験のある方がブログか何かで書いていたことですが(うろ覚え) 「留学というのは、泳ぎ方をしらないままに、深く荒い流れを持つ海に突き落とされるような ものだ」と書いていらっしゃっおり、留学後にその一文を思い出すと、いい得て妙でした、 私には。 上記の一文、楽しそうではないですよね…(苦笑)。
反面実経験として、留学においては大変なのと同じ位に得難い経験が得られると思います。 当時の失敗談は今の笑い話だったり、自分の成長の糧となった部分でもあるので。
ですので、もし「留学したい」、でも周囲がなぜか「やめろやめろ」な状態の場合は、 現実的な計画を自分で考えているのか、留学を目指して語学の勉強は滞りないかなど そういう点をご自身で振り返ってみて、軌道修正をしてみるとよいのかもしれませんね。
本日のまとめ:失敗しても、大事な経験
留学は、日本語でできないことが一般的ですので、その分ハードルが日本の大学より高いのは 大前提です。 だからこそ不安もありますし、失敗したらとか、困ったことが起こったらと、 尻込みもしますよね。
でも、本当に行きたくて、目の前にチャンスがあるのなら、行くべきだと私は思っています。 留学中は、絶対いろんな失敗をせざるを得ないので、悔しい思いも恥ずかしい思いも 大量にしますが、命を落とさない限りは問題ありません。 自分の命さえ、最大限に守れる人であれば、よい経験ができると思います。
実際留学に行った場合は、大学のシステムや地域のシステムを最大限に利用すると、 スキップや留年しない方法の模索や、金銭的な問題の解決になる場合もあるので、 留学先や大学を決める段階で、いろいろ調べるとよいと思います (こういうのも事前計画です)。
ではでは本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
コメント