【雑記】文化と土壌の関係性:序論的に

雑記

ここずっと金箔関係のお話を書いているので、気分転換に雑記を。

昨年より色々な物価がぐっと上がりました。近年「コメ離れ」とは言われても、やはりお米は主食で、この値上げは生活上非常に痛いものとなっていると思います。

こういうときに「お米がなければ〇〇を食べればいいじゃない」って言われたら嫌だなと思うと同時に、「〇〇」に当てはまるものがない気がしてしまいます。巷のダイエットでは「炭水化物抜きダイエット」というものがありますが、少なくとも日本人にとって「炭水化物」自体を抜くのは厳しいですし、お若い方とかはどうだろうなーとは思うのですが、三食パンとか、なんらかの麺(パスタ、うどん、そば、ラーメン…)というのもなんだかしっくりこないような気がします。短期間なら許容できても、半年、一年とかだと結構きびしいのでは?と個人的には思います。

さて、こういう話をしているとふと思い出すのがベルギーでの生活。

私は限られたお金で7年間生活していたので、爪に火を灯す思いで生活をしていましたので、かの地でうるち米(日本食スーパー販売)はご褒美的にしか買えず、主食の半分くらいはジャガイモの生活でした。当初ご飯(および味噌)のない生活に恐ろしいほどに禁断症状がでましたが(苦笑)、徐々にそれもどうにもよくなり、当時は米のない生活でもなんとかなっていました。しかし日本にいる今、おいしいお米が身近にあるので、やっぱりお米は食べたいものです。未だジャガイモは主食の扱いではありますが(笑)。

こういう話をしているのは、ヨーロッパに行く方はだいたい気づくことかと思うのですが、欧米には「主食」というものはあるのだろうか?という感覚に陥るためです。あ、でもイタリアは別かな。一番最初に行った海外がイタリアで、2週間ほどでしたが、小麦粉を練ったもの(パスタ、ラザニア、ラビオリ…あたりの【パスタ(粉を練ったもの)】は昼・夜に必ず食べた気がするしなぁ。でもイタリア以外の国に欧米において日本にとっての「米」くらいの立ち位置に「パン」も「パスタ」も「いも」も果たして居るのか…?とちょっと悩ましいです。

というのは、そういった「炭水化物」を強烈に求めない程度に卵、乳製品、動物性たんぱく質みたいなものを日本人以上に摂取しているように思うのです。そう思うのは、かつて日本において米が「主食」だからか庶民の手に届きやすいお値段だったように、ベルギーのスーパーにて、卵はどうだったかなぁですけど、乳製品、動物性たんぱく質は本当にお安めで気兼ねなく買えた記憶なのです。チーズとか加工肉的なものは日本ではお高いのであまり買わなかったのが、節約中でも気兼ねなく買っていたので…(ちなみに当時、水代も含めて一週間の食費は20€=おおよそ2,500円~3,000円位で生活していたので、結構節約していたと思います。ただ私は運がよくて、私がいた間は1€=120円台~110円台位だった記憶)。

こういう「何が安いか」「何が手に入りやすいか」というのは、その地域の特色なんでしょうね。乳製品と動物性たんぱく質というのは近しい関係性にあるわけで(牛乳とチーズと牛肉のように)、それが得られやすい環境であること。またこうして「動物をある程度食べるから」こそ、動物の革を「紙」の代わりに使っていた歴史があるんだなぁと思ったり。

加工などがものすごく大変であっても、「そこにあったから」こそ「利用」するわけで。そういう「土壌」としての「ポテンシャル」とでもいうのか…、そういうものが古くからの文化を支えるのだなぁと思ったりする次第なのです。

ちょっと古い本なのですが、そういう関係の本を最近読み、洋の東西を隔てても「牛や羊を育てるための動き」なんて大きく違いがないはずなのに、どうして欧米で肉を食べたり、羊皮紙を使っていたのかなぁというのが納得できた気がしまして。そういうのもまた記事にできたらいいなぁと思いつつおります。

というわけで本日は簡単にここまで。最後まで当記事を読んで下さり、ありがとうございます。次回はまた金箔のお話に戻りますが、読んでいただけましたら幸いです。ではではまた。

#雑記 #文化財保存修復 #油絵保存修復

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