現在「光学調査」に関するシリーズのお話をしているところですが、諸事情の関係で、ちょっと小話をちょこちょこと挟ませていただきます(苦笑)。
文化財保存修復関係で、「大学に行きたい」あるいは「大学院に行きたい」もしくは「専門学校(?)」に行きたいという方がいらっしゃったらですが、可能である限り、一度その大学に訪問してみることをお勧めします。
特にオープンキャンパスや、高校単位での大学見学ツアーみたいなものが存在する場合は、その機会を利用してみてください。別にオープンキャンパスに行ったから、高校単位のツアーに参加したからと、その大学に絶対受験しなくちゃというものではないですから(^^)。
なぜオープンキャンパスに行ってみるといいよということをお話するかといいますと、いい意味でも悪い意味でも、希望する大学のことが見えてくることが一つと、自分の目指すものが非常に明確化されるからというのが一つです。
ブログ主が高校生の頃は、オープンキャンパスというシステムはなかったように思うのですが、その頃は絵描きになりたかったので、高校生の1年生のころから、目指す大学の大学祭や卒展など、他者が容易に大学に入り込める日程には必ず行っていました。
文化財保存修復関係だとそれほど選択肢はありませんが、「油絵科」を擁する学校は四芸大(今は五芸大でしたっけ)と有名私大と色々あるのですが、「ただ絵を描くためだけの学科(学校)だろう」と考えるのは軽率で。学校ごとのカラーがあります。
最終的にブログ主が入った大学は、まさに自分がやりたいこと(目指していたこと)ができる大学でしたし、小学生の頃から憧れていた画家さんが指導教員(ブログ主が入学した年度から)ということで本当に幸せな4年間だったと思います。
反面、「自分がしたいのはこういうことではないのに」という気持ちを持っていた同級生がいたのも現実としてあります。勿論、入学当初の気持ちと、実際に入学後の経験で気持ちが色々変化するということは自然なことで、当初やりたかったことが2年後3年後にはそうではなくなるということも、人生において当然発生します。
でも、そうすると結構苦しくなっちゃうんですよね。
「苦しい」ということ自体が「成長の証」だったり、あるいはその人の成長を促す要素でもあることから、「苦しい」ことが悪いことと決めつけるのもなんですけど。ブログ主が大学で教員をしていたころに思ったことに、ブログ主が学生のころより学生さんが全体的に繊細といいますか…。糧にならない「苦しみ」ばかりというのは、望まないものだなぁと思っておりまして。
ですので、わざわざ「自分に合わない場所」で苦行をするよりは、できるだけ「自分のキャラクターに合っている場所」や「自分のやりたいことに合致している場所」を選択するためにも、その大学のカラー(学科のカラー)を知っておくことって大事だと思うのです。
その上でなぜオープンキャンパスに行くことをお勧めしているかといいますと、その大学に実際通っている学生さんの生の声が聴けるからです。実際にどういう学びがあるのかとか、高校時代にどういうことを頑張ったのかとか、実際の受験はどうでしたかとか、一人暮らしってどうやってるのとか、アルバイトとの両立についてとか。通常、高校生が大学生になるに向けて不安になることというのは、今大学生をしている学生さんが高校生だった頃も同じに不安だったはずなので、きっと親身になって聞いてくれると思うんですよ。
また、オープンキャンパスの際には、必ず教員などによる相談会もあります。受験に関するご心配や、受験に際してどういう準備をしたらいいのかなどを、なんの心配もなく相談することができます。
あるいは、こういうのは大学ごとあるいは学科ごとに異なることですので、必ずしもではありませんが、総合型選抜入試(旧AO入試)に関する情報も入手できる場合もあります(勿論内容に限度はありますが)。ブログ主が教員をしていた大学では、AO入試だった時代ではありますが、入試時に提出する小論文の添削なんかも、オープンキャンパスの相談コーナーでやっていました。おそらくそれは、総合型選抜入試の今であっても、色々相談に乗ってもらえると思うんですね。
また、オープンキャンパスの相談コーナーなどに顔をだすと、その学科の教員と面接以前に顔を合わせることになりますので、特に面接を含む試験を受けたいと考える方の場合、「ああ、何度かオープンキャンパスで会った子ね」覚えがいいこともあります(ただし、よい印象かどうかは本人次第ですが ^^;)。
AO入試は9月だった覚えがありますが、総合型選抜入試は10月だったかな?そういうことを考えると、行きたい大学の決定が遅くとも3年生段階でなんとなく定まってくるとは思いますので、「なんとなく」なら尚更、オープンキャンパスなどに行って迷いの解消の要素としてもらえたらなとも思っています。
「A大学かB大学か、迷っている」という学生さんも少なくなくて。そういう中でA大学の先生に相談すると「是非うち(A大学)においでよ!」とひっぱられそうで怖いと思われるかもですが、大学の先生自身、「より適正のある場所に学生に行ってほしい」と思っているのが常ですので、「B大学が合うなぁ」と判断する場合はおそらくそう勧めると思います。だって、無理にA大学を勧めても、タイプに合わない大学で「こんなはずじゃなかった」と4年間過ごされるの、嫌ですし、学生さんに楽しく大学生活を送ってほしいですもん。
ブログ主も、文化財保存修復学科希望ではない学生の相談に乗ることなどもありましたし、そういう場合でも真剣にお話は伺わせていただいているので、教員ってそういうものだと思って、怖がらずに話してみてほしいです。そういう意味でも「大学(専攻)に迷っている」なら尚更、その大学の先生に正直に話を聞いてもらうのも一つの手だと思っています。その大学のこと、何もわからない状態で悩んでいても、何も解消しないですから(^^)。
そういった具体的な不安解消もそうですし、あるいはどういう街の中に大学があるのかとか、将来的に街のどこらへんでアパートを借りようかとか、そういう「楽しみ」の部分といいますか、ご褒美のようなものが明確になると勉強も楽しいじゃないですか。そういう「合格したら」という具体的なものがあるのも、勉強の励みになると思うんですよね。
大学の先生、学生に会うっていうことに恐れをなしている、あるいは「おっくうだな」と思っている方もいるのかなと思い、本日はこういうお話を書いてみました。
楽しい4年間のためにも、是非オープンキャンパス、利用されることお勧めします。
というわけで本日はここまで。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
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