面接(とくに大学入試の面接)って、何をする場?(全4話の第1話):大学入試の面接は、営業活動みたいなもの

修復を学ぶ

先の記事などでも色々書いていますが、結局のところ「(入試の)面接」って何なんだろう?ということを、あくまでも大学で教員をしていた人間の、面接官の立場から見た「個人的な考え」としてお話していこうと思います。

大学入試の面接についてですので、対象が高校生や20歳前後の方となると思ったため、できるだけわかりやすく詳細にお伝えしようとしたところ、結構話が長くなりましたので、4回にわけてお伝えしようと思います。本日は全4回のお話の第1回目です。

「面接」って何をする場所なんでしょう?

その上で、本題の前にこういうことを考えて頂けたらと思うのですが、例えば「レストラン」でも「割烹」でも「寿司屋」さんでも「ファミレス」でも、そういう「飲食系」の場所って、何をしにいくところだと思いますか?

…。

「飲食系」って言っているんだから、「飲食しにいくところだろ」というのが回答ではないでしょうか?

そうですね、飲食店で野球をし始めたり、歯の治療をし始めたりはしないという意味では、どのお店でも「飲食」しにいくんでしょう。

でも、「真の目的」が人それぞれ、店それぞれで違うことがあります。

「あの料理を食べに」「腹を満たすために」「安価ですますために」「見栄をはるために」「映えを求めて」「密会の場所として」「会談の場として」「親交をはかる場として」「「思い出をつくるために」「お祝の場所として」などなどなど、単純に「飲食するための場所」としてある「飲食店」ですが、皆が皆「ただ食べるためだけの場」として求めているのではないというのがあります。

だからこそ、「デート」とか、「会社の親睦会」とか、「両家顔合わせ」とか、人の思惑や想いが関わる場合に、齟齬がでるバターンがあるのが「飲食店」なのですが。

上記のようなお話をしているのは「面接」のお話をするためなのですが、皆さんは「面接」をどのような場所であると思っているでしょうか?

「試験を受ける場所」「試験官(面接官)と話しをする場」というのは、先ほどの「飲食店」が「飲食をする場」であるというのと同じ回答となります。

考えて頂きたいのは、「飲食店」を選択し、使用する際に「その真の目的」に沿った場所を利用するだろうということをお話しましたが、「面接」の真の目的(受験者を受からせる、落とすということではない)というのを何と考えていますか?ということです。

結構この大学入試に「面接」を持ってくるのは「何を目的としているのか(大学や学科の目的)」ということを考えると、受験する側はどうすればいいのかというのが見えてくると思うんですよね(^^;)。

大学入試の面接の目的は、営業活動に似ている

上記のようにお話した上で、では「面接」の「目的」ってなんだろうと考えるのですが、多分、大学入試で「面接」を受ける際に学生の皆さんが「目的」として思っていることは「大学に受かること」だと思うんです。

それは大学入試に限らず、「新卒の就職活動」にせよ、「中途採用」にせよ、「面接」を受ける限りは「受かりたい」が念頭にあってのことではあるのですが、それは「飲食店にいく理由が飲食のため」という回答となんら変わらないと思っているんですね。「面接」にて「人を採る」側だけでなく、「受ける」側にも「目的」はあるわけです。だって、「飲食店」でも、店に入ってくる立場も「目的」を持ってきていることは先に伝えていますよね?同じことです。

で、この「面接を受けることに対する真の目的」を掘り下げると、おおよそ「大学の入学試験」における「面接の真の目的」というのは、大きくは1つ2つかなと現在考えています。

一つは、「営業活動」だと思うんですよ。

この記事をわざわざ読まれているのは、おそらく大学受験を意識している高校生あるいは浪人しているだろう20歳前後のお若い方だと思うので、「営業職」ってなに?というところにもなると思うのですが。

一般的に、企業さんの中にある「営業職」というのは、その会社の「商品」なり「サービス」なりを、「それら(商品、サービス、あるいは会社自体)を知らない新規顧客さんになり得る個人(あるいは団体、企業、施設など)」に対して営業活動をして、購入や契約を促す(販促活動をする)お仕事を指します(場合によっては、会社自体が新興のものであるため、会社自体の営業ともなるでしょう)。さらには、単純に「販売」だけを目的とするお仕事ではなく、他のサービスの提供をも行う場合もありますが、「面接」のお話をつなげる上では、とりあえず上記のようなお仕事であるとご理解いただけるとよいでしょう。

同じ企業さんの中でも「販売部」と「営業部」が違うことがありますが、「販売部」の場合は、すでに「この商品買いたいね」と商品を知っている、興味を持っている方が、わざわざお店などに来られている人を相手にしている中で、「営業部」は「その商品、サービス」どころか、「その会社」すら知らない、という中での活動になることもあります。

皆さんがもし某新興企業の営業部配属だとしまして、新しい「ポテトチップス」をスーパーやコンビニにおいてくださいとお願いする場合、どうしたらいいでしょう?スーパーは勿論そうですが、立地的に新たな商品を配置する場所のないコンビニに、新しい商品参入は難しいかもしれません。そんな中、わざわざコンビニなどに、商品を置いてもらうには、「お客様に購入していただける、良いお品物である」ということをご説明し、ご納得していただく必要性がありますよね?そうすると、よくよくその商品の良さ(他の商品にななさそうな良さ、独自性)などを説明する必要があるわけです。

もっと言えば、「その商品を知り尽くして、これほどいい商品はない!」と自信がある場合は、説明もしやすいですし、人にもおすすめしやすいと思うんです。なんていうのか、皆さんも好きな漫画や音楽など、「いい!」と思う(自信のある)ものをお友達に進めるのは簡単でしょう?でも、「うちの商品なんて」「この商品なんて、別会社の商品のほうが明らかにいいじゃないか…」と思うと、なかなか他人にお勧めするの、ひっかかりがあって、難しいんですよね。

ここまで言いますと、なんとなくブログ主の言いたいこと、お分かりいただけるでしょうか?「面接」が「営業」と似ている、ということが。

つまり、「商品」は「面接を受けるあなた自身」。「あなた自身」のアピールのために「面接」にきていて、「あなたを知らない」顧客にあたる「面接官」は、「さきの商品とどう違うのか、どっちがいいのか」というのを見ていると思えばおわかりいただけますか?

「よりよい商品」という言い方はあくまでも上記の例になぞらえてではありますが、「当大学に適切な学生、当学科に合致する学生」を選抜する上で、「こういう人間だからこそ、貴大学、貴学科に私はお勧めである!」というアピールをする場というのが「面接」です。

本日のまとめとして

残念ながら、よほど受験者が大学や学科とコネがあるとか、ご親戚であるとか、あるいは受験者が有名人であるとかでない限り、面接官は受験生のことは「何もしらない」状態です(あ、別にコネがあると有利ということでもありません。複数の面接官で判断しますので)。

そういう「あなたに対して未知」である人間に、いかに「自分の良さ、独自性」をアピールするかという場が「大学入試の面接」です。

商品が「未知」であるからこそ、どういう良さがあるの?他とはどう違うの?と相手に理解してもらう必要性があることはお分かりいただけると思います。

「落とされるかも…」「受かるかな」という気持ちで面接に挑むのではなく、「私のことをいかにしてわかってもらおうか」という気持ちが大事ということをご理解いただけたらいいのかなと思います。

4回に分けているわりに、長くなってしまいすいません。

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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