先の記事より、ブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となりますが、「顔料」というものを理解するために、用語の勉強として記事にしております。
翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、先にご了承くださいませ(ぺこ)
こういう記事を今回載せていますのは、例えば「顔料」に関しましては、すでに過去記事で色々と書いているのですが、視点を変えて同じことを見てみることによって、より深い理解に至ったり、新たに疑問が出たりといったこともあると思っております。
すんなり理解ができることは喜ばしことですが、同時に疑問というのは「理解」ができて初めて出るものでもありますので、それはそれで素晴らしいことだと思っております。
ブログ主が大学で教鞭をとっておりましたときは、同じことを調べるにしろ、最低文献(ネット情報ではなく)を3つは調べなさいと学生に伝えていました。それは、「より重要な情報」への理解のためでもあると同時に、同じ情報を全く同じ書き方、ボリューム、視点、詳細さで記載されていることがないため、「一つの文献を読んで、わかった気分になる」ことというのは、ちょっと怖いと思うためだったりします。文献の新旧などでも、書いてあることが違ったりもしますしね。
正直、私自身、この留学時にもらったプリントだけでは「?」ということが多いとは思うのですが(留学時のリアルタイムは、ちょっと困った記憶があります。^^;)、この「困った」「完全に自分はこのプリントの言いたいこと、わかっているのだろうか??」というところから、初めて「他の文献をあさろう、これだけじゃ自分が『理解した』とは到底思えない」と躍起になったので、そういうしかけのプリントなのかもしれぬ…とも思います(苦笑)。
簡素な説明しかないプリントですので、初学者が「暗記する」という意味では便利である反面、きちんと理解するにはこれだけでは足りないという感じを味わっていただく分にはいい教材かなと思っております。
ということで、用語説明の記事ではありますが、これのみではわかりにくいなという場合は、すでに過去記事でも色々書いておりますので、もしよかったらそちらも平行してご覧頂いたり、あるいはきちんと専門の本などと一緒に読んでいただけるとより勉強になるかと思います。
というわけで以下、プリントの翻訳となります。
プリントの内容:顔料の主要な特徴
- 分散媒に不溶であること
- 色がついている、あるいは白や黒である
- 絵具にある種の不透明度を与えられるよう、顔料を分散させるための結合剤とは異なる屈折率を顔料自体が持つ
- 顔料が分散している結合剤に対し、顔料が化学的に不活性であること:顔料と結合剤の双方にとり適合性があり、安定しているためには、顔料は十分に不活性である必要性がある。わずかに酸性(より一般的なケース)あるいは塩基性(フレスコの場合)でありうる絵画用メディウムとの相互作用は等しく生じる。塩基性の顔料であるウルトラマリンは、塩基(ある種のエマルジョン)の中よりも酸(油)の中でのほうが脆弱となる。
- 顔料は光に対して安定である
本日のまとめ
今回は上記のとおり、翻訳部分が少なく申し訳ありません。
次回は「光」などとの関係になりますので、今回は短めで終わらせていただいております。
前回、今回の記事の中身を簡単に言ってしまえば、「顔料というものは、無機物であれ、有機物であれ、色のある物質であるとともに、絵具を作り上げるために展色材(ビヒクル)と混ぜ合わされる。顔料の物質の物理的・化学的構成に依存しているが、不透明、半透明、透明の区別や、退色しやすい、退色しにくいなどの区別がある。絵具に使用する顔料は、安定性があり、不活性であることが求められる。すなわち、酸やアルカリ、熱などに反応しにくいものが好ましい。とはいえ、普通の絵具として使用する限りでは、光、空気、湿気の単体あるいはこれらの三要素の混合した環境に耐久できる堅牢性と化学変化に対する安定性があればよいとされている」という感じにまとめられるかな。
あと顔料の特徴として、お砂糖やお塩のように、結合剤(展色材)と顔料を混ぜ合わせたときに、「溶けない」ということを理解することが非常に大事になります。顔料はお砂糖やお塩ではなく、お砂場の砂と思えば、理解しやすいでしょうか。
これに対して染料は、紅茶の茶葉のようなものです。茶葉を水やお湯につけると、液体は染まりますがそれ自体ではどうにもならず、だからこそテキスタイルでよくみられるように、「染める」という作業が行われて初めて染料は「色をつける」ことができるようになります。ですので、染料で絵を描きたい場合は、布を染めるように、白い担体である粉末を染めることによって、「染料からなる顔料を作る」ことによってはじめて絵具が作れる、というところが顔料とは違う、ということをご理解いただけるとよいかと思います。
というところで本日はこれにて。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
コメント