【用語】絵具に関する概要(ベルギーでの大学での授業Ver.28):結合剤と希釈材8:プロチドとアルブミノイド素材1

用語

毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。海外の大学のプリントではありますが、こんなこと理解する必要があるんだ~くらいの体感もしていただけるかなと思いつつおります。

また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分、あるいはわかりにくいがあります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。顔料や絵具に関しましては、現在やっている【用語】シリーズに関わらず、すでに過去の記事で何度か書いている部分もありますので、そちらもご覧いただけるとわかりよいのかな…と思いつつおります。

本日は結合剤・希釈剤の中でもプロチドとアルブミノイド関係になるのですが、こう書くとなんじゃそれ、と震えが出てきそうですが、難しい話ではありません。

一般生活においても、「食べ物」としては身近な素材ですし、「保存修復」の業界で言えば、だいたいの保存修復施術者の立場でこの素材を知らない、使ったことがないという方はゼロだろうと思っていますので(陶器やガラスとかの方だと使わないかもだけど、大学などの学習で学ばないことのない素材ですので…)一緒に見ていけたら嬉しいです。

プリントの本文:結合剤と希釈材8:プロチドとアルブミノイド素材1

※プロチド(ブログ主注):窒素質有機物、(特にたんぱく質)

※アルブミノイド(ブログ主注):硬たんぱく質、骨格性たんぱく質[繊維状の単純タンパク質の総称]

プロチドもしくはアルブミノイド素材(主要な窒素質有機物の成膜)

ゼラチンと動物性糊

ゼラチン、膠(獣皮の糊・骨由来の糊):哺乳類の皮や骨、腱といった主要なタンパク質の主要要素がコラーゲンである有機素材(かつては羊皮紙の削りくずや、つい最近はウサギの皮から獣皮の皮を得ていた)

”ゼラチン”の大きな分子の最も重要な特性は、しなやかさと冷却効果あるいはその逆の効果によって、粘性のある溶液状態をへて、硬質な状態になる能力である。ゼラチン糊はしなやかで、可逆性で、比較的安定している。

プリントの本文

Ⅱ-Protides ou matières albuminoïdes (les prinxpaux filmogènes protidiques)

Gélatine et colle animale

Gélatine, colle de peaux, colle d’os: matières organiques dont l’élément principal est la collagène qui est la principale protéine des peaux, os et tendons des mannifères (autrefois la colle de peau provenait de rognures de parchemin, et plus récemment de peaux de lapin).

Les propriétés les plus intéressnates des macromolécules de “gélatine” sont la souplesse et la capacité de passer de l’état de solution visqueuse à l’état rigide sous l’éffet d’un refroidissement et réciproquement.

Les “colles gélatines” sont souples, réversibles, relativement stables.

本日のまとめ

本日はちょっと短めかもだったかもですが、ご容赦ください(汗)。

大学で教えていた際に、よく言っていたことですが、膠とゼラチン(食用)の素材は同じで、いわゆる不純物量などの違いの差(勿論ゼラチンのほうが不純物が少ない)であると教えていました(色々な文献にもそうあるのでご確認ください)。

でも、同時に生き物の相違などによっても特徴などが違うので(特にほにゅう類と魚類など)、作品を修復するという際において、一口に膠と言っても「何」を「どうして」「どういう濃度で」使用するのかなど、明確に説明できるほど、作品への理解と接着剤の違いの理解ができていることは作品を守る上で必要不可欠です。

次回の記事も同じくゼラチンや膠のお話の続きとなりますが、本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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