【用語】絵具に関する概要(ベルギーの大学での授業Ver.29):結合剤と希釈材9:プロチドとアルブミノイド素材2

用語

毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。海外の大学のプリントではありますが、こんなこと理解する必要があるんだ~くらいの体感もしていただけるかなと思いつつおります。

また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分、あるいはわかりにくいがあります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。顔料や絵具に関しましては、現在やっている【用語】シリーズに関わらず、すでに過去の記事で何度か書いている部分もありますので、そちらもご覧いただけるとわかりよいのかな…と思いつつおります。

本日も結合剤・希釈剤の中でもプロチドとアルブミノイド関係、特にその調合関係のお話になります。調合ってほどの話ではありませんし、本日は極端に短めの記事ですがご容赦ください。

なお、本文中「糊」と記載している部分は常に「膠」や「ゼラチン」であることを念頭に読んでいただけますと助かります。一応当記事上、できる限り本文ままで記載しておりますのでご理解くださいませ(ぺこり)。

プリントの本文:結合剤と希釈材9:プロチドとアルブミノイド素材2

糊の調合

様々な割合で糊と水を混ぜます。チップ状、粉末状の場合は1,2時間、板状の糊の場合は1時間を要するが、糊の膨張後、この水で膨張した糊を、決して60℃以上には上昇させないよう注意しながら湯煎で温める。

(60℃以上の加熱は糊を変質させる。つまり、ゼラチンの構造の結合を請け負う水素結合の大半を切断させてしまうからである)

プリントの本文

préparation d’une colle:

On mélange la colle en proportions variables avec l’eau. Après gonglement de la colle, ce qui demande 1 ou 2 heures pour les présentation en âstilles ou en poudre et une nuit pour les colles en plaques, on chauffe au bain-marie à une température qui ne dont en aucune cas dépasser 60℃ (on dénature la colle, c’est-à-dire que l’on rompt la plupart des liaisons hydrogène assurant la cohésion de la structure de la gélatine).

本日のまとめ

本日は記事自体が全体的に極端に短くて申し訳ないです(汗)。

最近の食用のゼラチンなんかは結構膨潤するのが早くて、お水につける時間も短い傾向がありますね。なので、この膠などを使う際に、事前に「水に半日程度漬け込む必要がある」ということに結構驚かれるかもしれませんし、初心者の方の場合「すぐ使いたいのに、つけこみ忘れた!」ということも発生するかもしれませんね(汗)。

本文ではチップ状や粉末の場合は1,2時間のつけこみでよいとは書いてありますが、実際なかなかこんな短時間で済む膠というのが存在しない…かもです。

1,2時間でなんとかなるっていったじゃないかー!と嘆き悲しむ事態を招くよりは、「いかなる膠も、使えるまでに半日かかる」と思ったほうが精神上健全かと思います(^^;)。

また、温める温度ですが、上記では60℃以下となっておりますが、膠の種類によっては40℃以下と推奨されているものもあります(一般的には哺乳類由来の膠ですので、60℃以下で大丈夫ですが)。

ブログ主自身かつての趣味がお菓子作りだったのでそう思うのかと思ったら、結構学生さんなどでも「お菓子作りに似ている」という方が多いのですが、こういう修復材料の用意とかは、きっちり何gとか、何度とか、こういうのを守れることが大事になります。

また、お道具を大事にできる(使う都度にきれいに洗浄し、元の場所に戻して、使いたいときにいつでも清潔に使えるようにする)ということも大事です。

というわけで本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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