先の記事より、ブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となりますが、「顔料」というものを理解するために、用語の勉強として記事にしております。
翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、先にご了承くださいませ(ぺこ)
すでに過去記事で「顔料」に関してや、今回のプリント翻訳内容の「屈折」などに関して説明しておりますので、より詳細に理解したい場合はそれらの過去記事や、専門の本などをご覧いただけると嬉しいなと思います(^^)。
なお、今回の翻訳だとちょっとわかりにくいかもと思うので、簡単に文章の内容として何がいいたいのかという豆説明を付けておこうと思います。よろしくお願いします。
なお、今回添付してあるイラストは、授業のプリントからの抜粋となります。
プリントの内容:物質と光
光線が絵画層あるいはワニス層に当たると、この光の一部が空気層の界面によって送り返されます。これを反射といいます。この反射は多少なりとも重要な要素です。
もし境界の表面が光学的に光沢があり、平らであるなら、この反射は鏡面的でありうる(参照:上図「réflextion spéculaire1」)。
もし表面が光学的に研磨されている上で凸状である場合、光線は「sémi-spéculaire(半鏡面的)」である(参照:上図「reflexion semi-spéculaire」)。
分離面が入射光線の波長と比較して非常に小さな不規則性を持っている場合、光線は拡散する(参照:上図「réflexion diffuse」)。
表面の光沢は、正反射光線と入射光束の間の関係として定義される。表面が平坦でないと、視覚的にマットな印象が生じる(参照:上図「surface mate」)。
反射しない残りの光は、透過する屈折率の異なる空気の中を通過する時に、光の束の方向は変化する(参照:上図「surface brillante」)。これが屈折である。屈折率とは、真空中の光速(秒速300,000km)を任意の分室の中の光速で割った値である。
プリントの内容がいいたいこと:豆説明
我々がものを見る際には、「光」「もの(見るべき対象)」「目」(そして4つ目には「脳」)が必要なのですが、その「光」「と「もの」との関係性のお話をしているのが上記です。
一見、物体に当たった光が、全て反射して我々の目に届くように思われがちですが、物体の形状(でこぼこ具合)によって、そうとは限らず、物体が鏡のように平らでつるつるであるほどに、全ての光を反射する反面、物体の表面がざらざら・でこぼこしていると、光は一つの方向に反射せず分散してしまい、より「マット(艶のない)」に見えてしまいます。
なお、光は全て物に当たったとたんに反射するのではなく、物体の中に入り込む場合もあります。上図の場合、大気からワニス層の中に入るとき、そしてそのワニス層から大気層に出るときといった、フェイズが変わる際に光が方向を変えているのが見えるのですが、このフェイズの違いによる光の方向転換を「屈折」と呼んでいる、ということです。
ちなみにこの屈折に関しては過去記事で複数の記事にわけて説明をしておりますので、この記事においては割愛させていただきます(ぺこり)。
本日のまとめ
日本にある本の場合、「réflextion spéculaire」の図とその解説はあっても、それ以外の説明がされている保存修復関係の本というのがほとんどないように思っておりまして(もしかしたら最近の本にはあるのかもですが、全ての本を網羅しているわけではないので、その旨先にご了承ください)。
絵画というのは視覚芸術ですので、この「光」と「もの」と「目」(そして「脳」)の関係性というのは非常に重要となります。ですので、こういう「光」と「もの」のありかたへの理解のために、こういう話がされるんだなということをご理解いただけるといいのかなと思いますし、より詳細に理解したいな!と思われた場合、ものごとを調べるためのキーワードとしてもご利用いただけたらいいなと思っております。
「なんでこんなことを勉強しなくちゃならないんだ?」が「そうだよね、これは必要なことだわ…」となったら、専門のことが一歩理解できたひとつの証かなと思います(^^)。
というところで本日はここまで。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
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