【用語】絵具に関する概要(ベルギーの大学での授業Ver.33):結合剤と希釈材13:脂質あるいは油脂

用語

毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。ブログ主自身、こうして過去に勉強したプリントを読み返して、失念していた知識を思い返したりもしております(苦笑)。

また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分、あるいはわかりにくいがあります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。顔料や絵具に関しましては、現在やっている【用語】シリーズに関わらず、すでに過去の記事で何度か書いている部分もありますので、そちらもご覧いただけるとわかりよいのかな…と思いつつおります。

本日からは脂質あるいは油脂類のお話を始めていきます。

プリントの本文:結合剤と希釈材13:脂質あるいは油脂

Ⅲ-脂質あるいは油脂

美術品界隈で見つけられる油脂素材あるいは脂質成膜はとりわけ液体(亜麻仁油、ポピー油、胡桃油など)もしくは個体(蝋)である。

乾性油

亜麻仁油(リンシードオイル)

薄い層に塗り広げられたあと、(数日の)理想的な時間を経ることで連続した塗膜を形成することから、乾性油と呼ばれる。

亜麻仁油は亜麻の種子に含まれる油である。これは植物が発芽する際に使用される主要な蓄えである物質からなる。これは他の全ての油と同様に、収穫時に種子が熟していたことを示唆する。

理論上亜麻仁油は、前もって亜麻の種子を乾燥させ、次にこれをわずかに炒った上で、強力な碾き臼の下、圧縮によって得られる。

今日は最大限の油の抽出と最小限のロスのために、しばしば蒸すことで抽出している。それゆえ現代の我々の油は昔の油と比較して、乾燥性が劣るとされる。

プリントの本文

Ⅲ- Lipides ou matières grasses

Les manières grasses ou lipides filmogènes que nous trouvons dans le domaine des beaux-arts sont notamment des liquides (les huiles de lin, d’oeillette, de noix, etc) ou des solides (les cires).

Les huiles siccatives

Huile de lin

Une huile est dite “siccative” quand elle formes en un temps raisonnable (quelques jours) un film continu après avoir été étendue en couche mince.

L’huile de lin est celle contenue dans les graines du linum usitatissimum L., où elle constitue la substabce principale de réserve utilisable au moment de la germination de la plante. Ceci implique, comme pour toutes les autres huiles, que la graine soit mûre au mement de la récolte.

L’huile de lin est théoriquement obtenue par compression, sous de fortes meules, de graines de lin préalablement séchées puis légèrement grillées. De nos jours celles-ci sont le plus souvent traitées à la vapeur pour en extraire le maximum avec le minimum de perte. D’où une moindre siccativité de nos huiles par rapport aux huiles des anciens.

本日のまとめ

亜麻仁油と上記で訳していますが、画材屋さんで購入できるものでいいますと「リンシードオイル」と言ったほうがぴんとくるでしょうか。

同じ素材から採れてても、現代とかつてで抽出方法が違うこと、その抽出方法のせいでかつてよりも現代のほうが乾燥性が劣るというのは興味深いですね。

こういうのも実際に比較実験してみると面白いかもしれません。上記のいうこと(乾燥性の相違)が本当かの確認にもなりますし、場合によっては得られるオイルの特性によって、得られる美観なども違うかもしれないためです。

というわけで本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました