毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。ただ、もし文化財保存修復を学びたいなーという方が読まれている場合は、こういう記事のみをうのみにするのではなくて、いろんな文献を比較参照してくださいね(^^)。
また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分、あるいはわかりにくいがあります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。顔料や絵具に関しましては、現在やっている【用語】シリーズに関わらず、すでに過去の記事で何度か書いている部分もありますので、そちらもご覧いただけるとわかりよいのかな…と思いつつおります。
本日はコロファンに関して。コロファンに関しては当記事を含め2回に分けて記載します。
というわけで本日の記事をどうぞ。
プリントの本文:結合剤と希釈材21:ディテルペン:コロファン
ディテルペン
コロファン
- 通常松の分泌物に由来する。他の種類の植物からも同様に産出する:モミ、トウヒやカラマツ。つまりマツ科の大部分である
- 抽出物によって3つのタイプのコロファンに分別する
- 松脂のコロファン:傷をふさぐために海辺の松によって分泌されたもの。松脂はコロファン(68~72%)とテレピン(テレピン精油、22~24%)と水(5~10%)の混合物である。鉱物や植物の不純物を除去するために一連の上澄み除去やろ過の後、蒸気あるいは真空状態での蒸留によってテレピンから松脂を分離させる。あらゆる過加熱は避けるべきである。なぜならこの製品が容易に樹脂が強い着色してしまう酸化・重合してしまうためである。
- 木材のコロファンはベンゼンタイプの溶剤によって松の切り株の抽出より得られる
- トールオイルのコロファンは亜硫酸塩と松材による紙製造の行程の副産物として得られる。
プリント本文
DITERPEN
Colophane
- Provient en général des sécrétions de pins. D’autres espèces botaniques en fournissen également: les sapins, les épicéas et les mélèzes, c’est-à-dire la plupart des Pinacées.
- Selon le mode d’extraction, on distingue 3 types de colophane:
- la colophane de gemme: sécrétion fournie par le pin maritime pour colmater une blessure. La gemme est un mélange de colophane (68 à 72%) de térébenthine (essence de térébenthine) (22 à 24%) et d’eau (5 à 10%). Après une série de décantations et de filtrations destinées à éliminer les impuretés minérales et végétales, on procède à la distillation à la vapeur ou sous vide afin de séparer la colophane de la térébenthine. Toute surchauffe doit être évitée car ces produites s’oxydent et polymérisent facilement, ce qui conduit à des résines fortement colorées.
- La colophane de bois obtenue par extraction des souches de pins par un solvant benzénique.
- La colophane de tall oil obtenue comme sous produit du procédé de fabrication du papier à l’aide de sulfite et de bois de pins.
本日のまとめ
コロファンはいわば、マツ科の植物の抽出物からテレピンを得た後の残留物といえますね。
コロファンは工業的には利点のある素材っぽいですが、絵画に直接という意味ではどうかなーという感じの素材です。特にワニス用樹脂としては欠点が色々あるとされています(実際ブログ主が使った経験はないので、素材関係の本の記載として)。
テレピンとコロファンは言ってみれば同じ素材から得られたものであるにも関わらず、使われ方の違う素材なんですね。卵なんかもそうですけど、卵黄と白身、同じ1個の卵の中の物体でも、現代において「卵テンペラ」としてよく使われる卵黄と、そうではない卵白という、使われ方の異なる素材というものは、それらの素材同士をよく知る・比較することで、よりそれぞれを(なぜ使われるのか、逆に使われないのか)を理解することができると思います。
コロファンの内容は次の記事に続きますので、本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
コメント