【用語】顔料に関する概要(ベルギーでの大学での授業Ver.8):昔の主要な顔料2(ラピスラズリ1/2)

用語

7つ前の記事より、ブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となりますが、「顔料」というものを理解するために、用語の勉強として記事にしております。過去の記事もよろしければご覧ください。

また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。

また直近の記事より、昔の主要顔料について、あくまでもかいつまんだ説明のみを記載します(海外の大学時代の、1年生の前期に受けた授業のプリントの翻訳です)。なお、顔料の種類によって説明の記載量の違いがありますので、記事の内容の濃さの違いや文字数の相違などが出ます旨は、先にご理解いただけるとありがたいです。

本日はラピスラズリの説明となりますが、この説明に関しては1つの記事内では長すぎると判断し、次の記事とのセットという形で分断する旨ご容赦いただけるとありがたく思います。

プリントの内容:青色の顔料2:ラピスラズリ1/2

屈折率は比較的低い:おおよそ1.5

吸油率:30%

耐光性はよい

  • 15~16世紀に現在でいう北東アフガニスタンの地方からくる
  • 抽出の違いに応じて顔料のクオリティは異なる: 第一抽出ではより大きな粒子で、より深い青色を持つ。殆ど不純物がない顔料が得られることから高額である(アズライトの処置より手間がかかる): 大変高価な顔料である: デューラーはアントワープで1521年、同日に購入したTerre de cassel(ドイツのカッセルの土)の100倍効果なラピスラズリを購入している。
  • この顔料は最終層のグレーズ技法のためだけに用いられた
  • 13世紀以前では、ラピスラズリの石を粉砕・洗浄することで多量の無色の微粒子とともに薄い青灰色の粉体を得ていた
  • 製法:着色された部分はラズライト(全ての鉱物顔料の中で最も複雑なアルミノケイ酸塩)で構成されている:13世紀からの岩石の着色部分を分離するための処方は多用で複雑である:これらの処方は全て、母石に含まれる不純物である他の物質の親油性と、ラズライトの著しい吸水性との関わりを利用するものである。すなわち、油脂、油、樹脂によってこれらの不純物を留めることが可能となる。(アルカリ性の)水は、この練り物から攪拌によってラズライトを放出する。

※ラズライト:(=青金石)ラピスラズリの主成分である鉱物。天藍石の別名であるラズライトとは異なる。

(ラピスラズリの説明は次の記事に続きます)

プリントの本文

Lapis-lazuli

Indice de réfraction relativement bas, env. 1.5

Prise d’huile de 30%

Résiste bien à la lumière

  • provenant aux ⅩⅤ à ⅩⅥème siècles de l’actuelle province du Nord-Est de l’Alghanistan.
  • différentes qualités en fonction de l’extraction: la première extraction fouinissait les particules les plus grandes, du bleu le plus profond et avec le moins d’impuretés, d’où son coût. (+ laborieux procédé de la lazurite) : pigment très cher: Dürer en achète à Anvers en 1521 à un prix qui est 100 fois plus élevé que celui de la terre de Cassel qu’il achète en même temps.
  • pigment utilisé seulement pour les dernières couches de glacis.
  • Avant le ⅩⅢème siècle, la pierre était broyée et lavée, ce qui donnait une poudre gris-bleu pâle avec beaucoup de particules non cololées.
  • Fabrication: Les partes colorés sont constituées par la lazurite (un aluminosilicate complexe, le plus comlpexe de tous les pigments minéraux). Les recettes (à partir du ⅩⅢème siècle) de séparation de la partie colorée de la roche sont variées et complexes: elles mettent toutes en jeu l’hydrophilie marquée de la lazurite par rapport à la lipophilie des autres substances de la gangue, ce qui permet à ces dernières d’être retenues par des graisses, des huiles et des résines. L’eau (alcaline) libère la lazurite de cette pâte par malaxage.

本日のまとめ

ラピスラズリは西洋絵画において非常に重要な石ですので、日本の書籍においても非常にたくさん説明がなされています。

私が大学で授業をしていた時によく説明に使っていたのが、ブログ主が子供の頃の少女漫画雑誌のうしろによく「幸せになるペンダント」というものがありまして、それに「ラピスラズリ」が使われている、とのことだったんですね(おばさんになった今でも思い出せる…!)。

その「幸せになるペンダント」のすごいところは、「持ち主に危機が訪れると、ペンダントの青い石が灰色になる」という説明があるのです。

実際その「幸せになるペンダント」にラピスラズリが使用されていたのかは不明ですが(なにせ購入していないので。汗)、この青い石が灰色になるというのはラピスラズリの特徴で。酸に触れるとラピスラズリは青色を保っていられなくなります。

「幸せになるペンダント」が青から灰色に変わるのは、「危機的な状況」の場合、人は無意識的に汗(酸性)を発生させるためと考えられます。ただ、本当にラピスラズリを使っていたのかしら…とこういう仕事についてそういう鉱石について知った今、ものすごく考えてしまいます。

閑話休題。絵具というのは「顔料」だけからなるのではなく、少なくとも結合剤と一緒になって絵具になるため、それが酸性なのか否かなど、顔料と結合剤とのコンビネーションが美観を保つ上で非常に重要なんだということを理解する上でもこの「ラピスラズリ」という顔料は学びの上でも重要な素材であると考えられます。

たびたび過去の記事でも書いておりますが、こういう記事のみをうのみにせず、興味をもたれた用語などは是非専門の書籍を調べてごらんください(^^)。特に大学生などの方は。これでレポートとかを書かないでくださいね。

ということで本日はここまで。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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