2つ前の記事にて、総合型選抜入試(元AO入試)の判定の指針になるものとして、おそらく「提出書類(志望動機や、学校の評価など)」、「面接」、「小論文、グループワーク、実技など個別試験」かなと考え、特に「提出書類」についての大事なことを書きました。
また、直近の記事では面接において大事と思われることを書いてみました。
ということで本日は最後の「小論文、グループワーク、実技など」に関する重要事項について述べていこうと思います。
ただし、先の記事にも書きましたが、これらの記事での記載はあくまでも私が勤務していた当時の大学での考え方、私が所属していた当時の学科の考え方が基本となります。あくまでもその経験を参考としたお話になりますので、各大学に当てはめると必ずしも当てはまらないかもしれないことがあるかもしれない旨はご理解ください。
総合型選抜入試(元AO入試)の小論文などで求められると推察される力
総合型選抜入試(元AO型)の場合、単に面接があるだけではなく、なんらかの試験的なものが行われる場合があります。
例えば小論文、グループワーク、実技的なものなどですね。もしかしたら多少の学科のようなものを行う必要がある大学や学科もあるのかもしれませんが、この記事ではこの3つ程度の留めます。
私が大学勤務だった際、その学科では小論文を採用しておりましたので、グループワークとかの学科がどうしていたのだろうとは思うのですが、少なくとも小論文およびグループワークの両方に共通する評価部分は「発想力」と「表現力」というものがあります。
ほか、小論文に絞って求められる評価部分は「理解力」「論理的思考力」(場合によっては「読解力」)などが求められます。
小論文含む、文章が求められる場合のタイプ(型)
こう書くと、文章を書く必要があるのが小論文タイプのものだけで、グループワークなどでは文章は必要ないと思われるかもしれません。そうかもしれないですし、そうじゃないかもしれない。それは大学や学部次第ですから。
例えばですけど、小論文なり、レポートなり、文章を書く課題には色々タイプがありまして。例えば以下の4つなどが挙げられます。
- 要約型
- 論述型
- 演習問題型
- 実験レポート型
要約型の小論文やレポートは、例えばその場で「課題文」が与えられて、それを決まった文字数、例えば1000字で要約する、などを行うことを指します。学校や学科によっては、その場で身に授業を行って、その内容を整理・説明するということが求められるタイプのものもあります。
論述型は、たとえばその場で「課題文」が与えられて、その課題文の「テーマ」について、「自分の意見を【論証】させる」ようなものです。これは必ずしも「課題文」に限らず、例えばその場で授業が行われて、それに関わる「テーマ」に関して、グループワークを実施するとか、あるいは小論文として「自分の意見を【論証】せよ」というものがあるかもしれません。
演習問題型の場合は、ある種の問題を解決し、その解答および過程を説明・証明する、というものになります。理数系の大学でよくあるタイプのもののように見えますが、いわゆるアイディアを出すようなタイプの美術系(デザイン系)で出てきてもおかしくない類型の問題です。その「テーマ」に対する問題意識、解決のための発想力、独自性、それをわかりやすく説明する表現力など、多くの力を必要とする課題になるでしょう。さらにこれがグループワークともなれば、協調性、コミュニケーション能力などを見ていることもあるかもしれませんね。
最後の実験レポート型は、これまた理系大学でありそうなものですが、実技系の学科、それこそ美術系で表現方法に関する比較実験などをした場合など、その実験の過程と結果を記述・考察するなどが求められることなど、あるかもしれませんね。
あくまでも例にすぎませんし、またこれらは独立しているものではなく、2つ以上がセットになっている試験であることもあるかもしれません。
小論文など、表現やコミュニケーション、発想力の向上に有効な方法とは?
何にせよ、小論文にせよ、グループワークにせよ、自分の意見を「表現」したり「コミュニケーション」する必要性があります。
面接はまだ、お話が苦手な受験生相手に先生がたが水を向けて頑張りますが、特にグループワークなどは、独り沈黙ではどうにもなりません。積極的に自ら参加、といいますか、頑張ってアイディアを出したり、発表する必要性もあるでしょう。
そういう小論文、グループワークなどの「発想(アイディア出し)」や「表現力」というものを、どう訓練すればいいのでしょうか。ということろで、大学勤務の際にいつも高校生におすすめしていたのは、「新聞」です。ネットニュースではなく、活字になっている「新聞」を利用してほしい。
これは別にブログ主が新聞屋の回し者だったりするからとかではありません(汗)。
おそらく新聞は一家に一部とっているものと思っていますし、そうじゃないご家庭でも図書館で無料で読めるものだからです。勉強にお金をかけられるならそれに越したことはありませんが、お金をかけず効果を狙うなら新聞です。ちなみにこれは私自身が高校生の頃(すでに四半世紀以上昔々のことですが。汗)にも、高校の先生から言われていたことです。
新聞のスクラップ、要約でいろいろな力が向上する?
新聞をどう利用せよ、というのでしょうか。
例えば、自分が希望する学科に関わるニュース記事をスクラップしてください。図書館の新聞の場合難しいですが、お家に新聞がある場合は、記事を切り取り、スクラップブックに貼るところから始まります。
これをただ貼るだけでなく、各記事の内容を200字などで要約してみてください。で、できるなら学校の現国の先生にスクラップと一緒に要約文を見てもらいましょう。
もし希望する学科関係のニュースが毎日あったとしても、一日1要約です。実際学科によってはそんなにニュースはないかもしれないですが。
これによって何がよいかといいますと、学科に関わる「リアルタイムの問題・課題」を理解できること、読解力、そして要約の力の3つが手に入る、ということです。
学科に関する知識がゼロの場合は何も「発想」できませんが、ニュースで関心を持つだけでも最低限の知識がつくので「発想のための知識の在庫」も溜まっていきます。「発想」というのはゼロからでてくるのではなく、いろんな経験や知識から、です。
また、ニュースを読む、要約する、ということをやっているうちに、そのニュースの内容、問題などに対して自分なりの考えが生まれてくることもあるでしょう。「こうしたらいいのに」とか、「なんでこんな問題が起こるのかな」とか。そうしたら儲けもの。そういうことへの理解を求めて、大学で勉強したいとか、リアルなあなたの中の疑問を提出書類などに書くことができたりします。大分頑張る必要があるかもしれませんが(^^;)。
新聞じゃなくてもネットニュースではダメなの?
しかし、なぜ新聞なのか。なぜネットニュースはダメなのか。
普段高校生の方ならスマホをお持ちの方も多く、大きくてかさばる新聞よりもスマホで読めるネットニュースのほうがよいと思うかもしれません。
しかしお気づきでしょうか。ネットニュースは「速さ」という意味ではとてもよいものですが、その「速さ」のために非常に誤字脱字が多いのです。また、文法などが正しくないものも多い。
その点新聞において誤字脱字は見当たらないですし、文法も間違ったものはありません。そもそも新聞は中学2年生程度の学力の人間が理解できるように書かれているものです。いかなる内容のものであろうとも。そう思うとすごい紙媒体なんですよ(新聞を読んでいて、あ~誤字脱字だ~ってこと、ありませんからね。苦笑)。
私自身、フランス語を海外で学ぶ際、仏語主体の国際機関に勤める生粋の英国人が「ここの会社の新聞が一番文法が正しくてきれいだから」と読むのを勧められました。また、新聞は事象としてもそうですが、言葉としても「今」を学ぶことができます。言葉も生きているので(言葉が生きているからこそ、辞典も改訂版がでるわけで、それをリアルタイムにやっているのが新聞、ということです)。
正しい文章、キレイな文章、説得力のある文章を書く必要性があるのですから、読む文章もできるだけそういう文章に触れるほうが効果的です。そういう目でいろんな文章を読んでみてもよいかもしれません。
本日のまとめ的なもの
勿論こういう力の向上には継続することが大事になります。
一朝一夕に向上するわけでありませんので、ダイエットと同じで求める結果が出てこないことが続くと結構きついとは思いますが、時間がかかってもちゃんと結果はでます。
勿論新聞で勉強する方法以外にも、高校の先生や塾の先生に伺えば、小論文などの向上方法はきっといろいろあると思うので、是非聞いてみてください(^^)。その担当の専門の方に聞くのが一番よいと思います。
スクラップしろ、というのは結構いろんなことで言われていて。例えば私は美術系大学を目指していたので、すきな写真、すきな絵画、すきな構図、すきな色合いのものなど、手当たり次第、いろんな雑誌なども含めてスクラップしていました。そういうのを眺めて、自分が「どういうものが好きなのか」とか、「どういうものに興味を持つ人間なのか」とか、そういう内観をしていたんですね。
あとは、そういう自分の気持ちや考えを、親御さんもそうですし、親しいお友達とか、いろんな人に話してみたりして、インプットや内観で自分を知り、アウトプットや話し合いでさらに自分への理解を深める、みたいなことをしてみるとよいですよね。コミュニケーションの練習にもなりますから(^^)。
受験をするからにはちゃんと納得いく結果を得てほしいですし、合格したからには素敵な大学生活を送っていただきたいので、そういう意味でも受験前にしっかり準備、しっかり自分自身を理解するというようなことをしていただけたらいいなぁと思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
コメント