文化財保存修復におけるカメラの話:ホワイトバランス②:色温度

修復を学ぶ

このシリーズ最初の記事にてどうしてカメラのお話をするのかといった概要のお話をし、また、2つ目の記事から少しずつカメラの話をしております。くわえて3つ目の記事からは文化財関係の写真撮影をする上で知っておくべき専門用語の一つであるISO値に関してのお話、4つ目の記事では撮影において重要な露出(露光)のお話、そして5つ前の記事4つ前の記事、そして3つ前の記事にてF値のお話をしております。また2つ前の記事ではSSについてお話し、直近の記事からホワイトバランスについてお話しておりました。

と、ここまで書いておりますが、ブログ主は別段カメラの専門家ではありません。もしかしたらカメラの専門家の方から見たら「何いうてんねん」という内容があるかもしれません(汗)。もしそういうのがあるよ~とお気づきの方がいらっしゃったら、色々教えていただけるとありがたいです(ぺこり)。

というところで本日の本題である「ホワイトバランス」に関する続きをお話していきます。

色温度とは:ホワイトバランスを理解するために

先の記事からお話しております「ホワイトバランス」には色温度が関わっています。

色温度とは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する単位で、光源の色をケルビン(K)という単位で表したものです。

温度が高くなればなるほど、赤っぽい(オレンジ)色から白色を経て青色に色が変わっていく、つまり、数字が低いほど赤色っぽく(オレンジ色っぽく)なり、真ん中くらいを白、数字が高いと青っぽくなります(以下に図示)。 

この原理を理解するには、少しでも熱を持つ物質は、どんなものでも電磁波を発生するということを理解する必要があるようです。我々のような生きた人体も椅子も、壁であっても電磁波を放出しているのだそう。

なぜならば、熱というものがどうやって発生するものかを考える必要性があるのですが、非常に簡単にいってしまうと、熱は原子や分子の運動によるもので、また原子や分子は大小はあれども、決してじっとしているものではなく振動しているものだからなのだそうです。

勿論物体自体や物体周囲の温度にもよりますが、原子の振動に合わせて電磁波を放出する性質が原子や分子にはあります。例えば壁や机なんかは別段温かいものではない、部屋の温度(環境)と同じ、つまり常温ではありますが、その熱運動に合わせて電子は電磁波を発生させます。

この常温という状況下の場合、電子が発生させる電磁波は赤外線に近い電磁波を発生させるようです。また、物体そのものの温度が高いほど多くの電磁波を発生させます。

加えて、物質自体の温度を上げていくと、物質の熱運動は激しくなっていきます。このように、物体そのものの温度が高いほど、物体の自体の温度を上げていくほど、原子の中の電子はさらに高いエネルギーの電磁波を発生するようになります。このように物体の熱運動に合わせて電磁波が放出される現象を、熱放射といいます(以下図示)。

付け加えて言うと、物体の温度が上がっていくほど、発生する電磁波の波長が短くなるという形にもなっていきます。なので、先ほど物体が常温であれば、赤外線に近い電磁波を放出すると書きましたが、物体自体の温度が高いほど、あるいは物体自体の温度を上げるほど、赤外線より波長の短い電磁波、つまり可視光線が発生するようになります。   

上記におきまして一般的にどのような物体でも常温で有る場合は赤外線に近い電磁波、でも、物体自体の温度が高い、あるいは物体の温度を上げていくと高いエネルギーを放出するようになると書きましたが、例えば、熱した鉄や、炭火が全く明るい状態ではなく、徐々に赤く光りだすのは、最もエネルギーの低い可視光線が赤色だからなのだそう。常温では赤外線に近い光線であるところが、少しずつエネルギーが上がっていくので、最初に赤色の光が発生します。

例えばブログ主が中学生か小学生のときに、蝋燭の炎の色を観察したように思います。その際に、赤い炎と青い炎、どちらが高温かということを学んだような覚えがあります。あるいは、地学(地学なので、おそらく中学の頃の学びなのでしょう…)で夜空の星の色と星の温度の違いなども学んだことがあります。この炎、星のいずれにせよ、それら自体の温度の高低により色の違いが生じる上、常に赤が最も温度が低く、黄色が中間、青いと高温ということとなっています。

このお約束は、可視光線が赤色から紫色へと変化することに従ってエネルギーが上昇するという、ここに一致します。上記で例に出しましたのは、炎と星ですが、どんな物質でも温度により発する色の変化の仕方は同じであることから、色によってある程度の表面温度を求めることができるのだそう。

ものすごく長い説明でしたが、この表面温度を色温度を呼んでいます。またこういう温度形式というかな、こういうのを絶対温度と呼ぶのだそうです。

本日のまとめ的なもの

今回の内容はややこしいですよね(汗)。正直いいますと、撮影をするのにここまでのことを理解する必要性はないと思います(滝汗)。

ただ、ものごとの理屈的なものを理解したほうが分かりやすいという方もいるのかなと思い、こういうことも実は大学の授業の際は多少説明しておりましたので、今回記事にしてみました。

まだ次の記事に続きがありますが、本日はすでに長くなりましたので本日はこんなところで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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