この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである「顔料」を理解する足がかりの一つとして記事にしております。
このシリーズの最初のものや、直近の記事で他の緑色を取り扱った記事などの過去の記事もありますので、よろしければご覧ください。
また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。
この記事も緑色の顔料の話になります。対象となるのは、樹脂酸銅とマラカイトです。
プリントの本文:緑色顔料2:樹脂酸銅
樹脂酸銅
・20gの細かく粉砕されたコロファン(※コロファン:松の木を原料とするテレピン原油やバルサムを蒸留して精油を採った後に残る残留物)
・10gのリンシードオイル
これらを混ぜ、140~160℃の間の高温保湿機に1時間入れ、
5gの銅の酢酸園(青緑の)をテレピン油の中で練ったものの中にこれを加える。
110~120℃の間の高温保湿機の中で12時間加熱する。
加熱温度によって多かれ少なかれ緑色になる。
これをテレピン油で希釈し、熱くても冷たくても使用することができる。
プリント本文:緑色顔料3:マラカイト
マラカイト
屈折率:1,65~1,9
耐光性は高い
- 多くの場合マラカイトはアズライトともに見つけられる鉱物である。しかしながら自然界においてはアズライトよりもより豊富に存在する。中世に利用されたマラカイトの産地に関しては知られていないが、おそらくアズライトと同様にハンガリーと考えられる
- 天然の塩基性炭酸銅(1764年に合成される:ブランジックグリーン)
- マラカイトの色はその粉末粒子の細かさによって多彩となる。粒子が細かければ細かいほど、その色は淡いものとなる。
プリントの本文
Résinate de cuivre
– 20g de colophane finement broyée
– 10g d’huile de lin
Mélanger et mettre à l’étuve entre 140° et 160℃ pendant 1è heures.
Ajouter:
– 5g d’aétate de cuivre (turquoise) broyé dans de la thérébentine
Chauffer à l’étuve entre 110° et 120℃ pendant 12 heures.
Est plus ou moins vert selon la température de cuisson.
Se dilue avec de la thérébentine.
Peut s’utiliser chaud ou froid.
Malachite
Indice de réfraction: 1,65 à 1,9
Résiste bien à la lumière
- minéral que l’on trouve souvent associé à l’azurite mais plus abondant dans la nature que l’azurite: les sources utilisé au Moyen-Age ne sont pas bien connues, peut-être la Hongrie comme l’azurite
- carbonate basique de cuivre naturel (synthétique seulement en 1764: vert de Brunswick)
- sa couleur verie suivant la finesse des particules, plus elles sont fines, plus la couleur est claire.
本日のまとめ
本日ご紹介しました樹脂酸銅の記述に関しては、制作のためのレシピが書かれているので、ちょっと作って見たくなりますね。
こういうところから研究というのはなされていくのだと思います。
気になられた方は是非再現してみてくださいね(^^)。
というところで本日はここまで。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
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