毎度毎度同じシリーズ内で同じ文言を繰り返してはおりますが、前置きとしまして、この用語シリーズはブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となります。西洋絵画を構成する素材の一つである絵具を理解する足がかりの一つとして記事にしております。
ちなみに直近の記事から「結合剤」あるいは結合剤とは異なるのですが「希釈材」についてお話してまいります。
また各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)。
本日は直近の記事の続きとして結合剤・希釈材に関する概要を記事としております。よろしくお願いします。
プリントの本文:結合剤と希釈材:概要2
絵具、ワニス、あるいは新鮮な状態(固化していない)の接着剤は通常溶液、分散状態、もしくは乳濁液(エマルション)の状態である。
溶液:分子規模、すなわち微粒子の直径がおおよそ0,001ミクロン(1ミクロン=1/10000cm)くらいまで分割された2つ、もしくは複数の物質が均質に混合したものである。
分散:分散は外相もしくは分散を構成する液体の中の、液体に対する溶液あるいは組み合わせの明かな親和性を持たない、多かれ少なかれ細かい粒子の懸濁液の一つである。このような懸濁液は、通常乳白色の外観を持ち、水とタンパク質(卵白、卵黄、カゼイン、ゼラチンなど)あるいは多糖類(アドラガントガム、でんぷんなど)の混合からなる。
プリント本文
Les peintures, les vernis, ou les adhésifs frais sont d’habitude sous forme de solution, de dispersion ou d’émulsion.
Solution: c’est un mélange homogène de deux ou plusieurs substances qui s’y trouvent diversés jusqu’à l’échelle moléculaire, c’est-à-dire des particules dont les diamètres sont de l’ordre de 0,001 microns (un micron = 1/10 000ème de cm).
Dispersion: une dispersion est une suspension, dans un liquide constituant la phase externe ou dispersante, de particules de matières plus ou moins fines n’ayant aucune affinité apparente de solution ou de combinaison pour le liquide. De telles suspensions, d’aspect en général laiteaux, sont réalisées en mélangeant à de l’eau des protéines (blanc d’oeuf, jaune d’oeuf, caséine, gélatine, etc.) ou des polysaccharides (gomme adragante, amidon, etc.).
本日のまとめ
溶液とか、分散に関しては本来こんな簡単な要約で済む話ではないといいますか、結構複雑なお話ですので、また改めて別の機会でお話できたらと思いますね…。
とはいえ純理系の人間ではないので、なかなかややこしい話ではありますが。
またエマルションについては文章がやや長めでしたので、次の記事に持ち越しますことご容赦ください。
文化財保存修復を学び始めたばかりのころなどは、こんな用語、何の役に立つの?!と驚きと拒否感でいっぱいになるかとも思うのですが(おおよそは、文化財保存修復、とくに絵画系の文化財保存修復の道を志す方は、ブログ主を含め理系が苦手だから、ということで目指した人も多いと思うので。汗)、実際はこういう基本的なことが実際の仕事の上で不可欠な知識として用いる部分があります。
当記事においては訳文を載せているので、文章が固いということでもわかりにくいと思いますので、よりきちんとわかりたいな、でも拒否感を持ちたくないな、という方は、化学系の漫画的なものから始めてみるとよりわかりよいですし、拒否感も薄まると思います。
よく大学ででも学生さんに、いきなり難しい本を読むのではなく、簡単に理解できるレベルの本(あるいは漫画)、あるいはちょっとの努力で理解できるレベルの本(あるいは漫画)から勉強を始めるときちんと続くかもという話をしておりましたので(^^;)。
私自身、色々再度本を読み返したいところです(^^)。
というわけで本日はここまで。最後までお読みくださりありがとうございます。
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