【用語】顔料に関する概要(ベルギーでの大学での授業Ver.5)

用語

2023.01.19

4つ前の記事より、ブログ主が海外の大学で留学していた際に、授業でいただいたプリントの翻訳となりますが、「顔料」というものを理解するために、用語の勉強として記事にしております。3つ前の記事2つ前の記事および直近の記事もよろしければご覧ください。

上記各記事にくり返し書いておりますが、このシリーズは翻訳であることから、文章として固い感じがあるだろう部分があります点、改めまして先にご了承くださいませ(ぺこ)

また、すでに過去記事で「顔料」に関してや、今回のプリント翻訳内容の専門用語(「屈折」「屈折率」)などに関して説明しておりますので、より詳細に理解したい場合はそれらの過去記事や、専門の本などをご覧いただけると嬉しいなと思います(^^)。

プリントの内容:エジプト(の顔料)

ギリシャ人より6000年前のエジプト人は、約7つのタイプの顔料を使用していた。

  • 白色顔料:硫酸カルシウム、石膏
  • 天然の土もしくは焼いた天然の土からなる黄色、赤、茶色の顔料
  • 銅からとった緑の顔料
  • ラピスラズリ
  • オーピメント(硫化ヒ素)
  • ローマ人がアレクサンドリアブルーの名前で引き継いだエジプシャンブルーを含む最初の合成顔料(銅とカルシウムの複ケイ酸塩)

プリントの内容:ギリシャ・ローマ(の顔料)

ギリシャ人とローマ人は、鉛白のほか鉛からなるミニウム(鉛丹)やマシコットのようないくつかの顔料を追加し使用した。

彼らはまたヴェルデグリやテールヴェルト、動物や植物からなるレーキを用いた。

プリントの内容:中世(の顔料)

中世にはパレットがかなり充実するのが見て取れる。

古来ギリシャ・ローマヵら継承された素材に新しい顔料が徐々に追加される。例えば新しい色彩を大きく活発にする、大きく発展したテキスタイル産業や、絵画に用いられる多くの基底材により適合する多くの顔料や染料にとって代わられる。

鉱物、植物そして動物といった三界から抽出された製品が現れ、ギリシャ・ローマの色彩から徐々に取って代わる。

  • ラピスラズリブルーはローマ帝国全体で使用されていたエジプトブルーに取って代わる
  • オーピメントはすぐに錫黄や鉛黄に引き継がれる

中世の絵画はとりわけ輸入された鉱物顔料や、しばしば地元で作られた鉱物顔料を使用する。

  • ラピスラズリブルーやアズライト
  • 樹脂酸銅やテールヴェルト
  • イエローオーカー、オーピメント、鉛錫黄
  • 鉛丹とヴァーミリオン
  • レッドオーカーや黒
  • 鉛白

本日のまとめ

正直今記事にしているプリントは、ベルギーの大学の1年生のころの、さらに前期のころにもらうプリントですので、顔料関係ではあるのですが、情報が結構薄いといいますか、あくまでも軽い説明しかされていません。

どんな化学式からなるのかとか、どういう性質があって、どういう結合剤となら使えるのかとか、そういう説明がいまのところないのですが、上記の顔料などを見ながら、エジプトの絵画(あるいは色を使う表現)って、どういう技法があったっけ?とか、ギリシャ・ローマのころの色彩を使う芸術ってどんな感じだっけ?ということ(つまりは絵具としてどんな接着剤的なものと混ぜ合わせる必要性があるのかなど)を考えると、深く考えるきっかけになるのかなと思ったりします。

あるいは、顔料とか染料というのは古今東西、おそらく芸術だけに使用されたわけではないのだと思うのですよ。例えば、お化粧なんかも、多分エジプトなどの印象からすると、当時の女性(少なくとも高貴な女性)なんかはお化粧されていたと思うんですよね。で、当時なんかは現代みたいにそうそう合成の素材なんかがないでしょうし、少ない色彩を使って、あるいは身近な素材を使ってお化粧とかされていたと思うんですよ。

こういう顔料(および染料)一つとってみても、決して美術や芸術のみの話ではなくて、歴史的な話、グローバルな話、当時の日常の話など、興味は多岐に亘るわけで面白いものですよね(^^)。

というわけで本日はここまで。

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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