前回、前々回において限度額適用認定とその申請およびその制度の注意事項などに関してお話ししました。
その上で、入院・手術するような10万以上程度を使用するような場合の医療費軽減に関し、わずかながらも手助けになる方法として確定申告(医療費控除)に関してお話しします(ただし保険が下りると医療費に加算できる費用が軽減になるので、控除申請が難しくなることもあります)。
私なんかはフリーランスなのでもう何年もやっている確定申告ですが、いわゆるお勤めだけの方(本命のお勤め以外にバイトとかをしていない)の場合、確定申告をしたことがない、という方もいるかもしれないということで書いてみる次第。
特に社会人になりたて、独身の方においては「確定申告?なにそれおいしいの?」という方もいるかもしれないので、基本的な話からしていくつもりです。
ただしブログ主は文化財保存修復が専門であって、経理関係を専門としているわけではありませんので、あくまでも自分の経験則というか理解の上でのお話となります。
確定申告の必要がある!という方は、必ず税務署や税理士、あるいは確定申告相談電話や確定申告の申告会場(だいたい毎年2月15日ごろから3月15日ごろまで開催)に問い合わせをしましょう。
確定申告とは?
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間における所得を基に、所得税の金額を計算・確定し、国(税務署)に申告する手続きを指します。
一般的に「お勤め」されている方において「確定申告」が遠い存在なのは、通常各会社がすでに税金計算をした上でお給料を支給しているため、個人が申告および確定申告時期に改めて支払いする必要がないためです(なので、「所得」と「手取り」が異なるわけです)。
ただし、この所得というのは「お勤め(パート・アルバイトを含む)」しているものに限りません。
例えば遺産をもらった、株の配当があった、ある種の権利や貴金属・骨董などの資産譲渡など、「お金を得る」ものに関し国内外に関わらず申告する必要性があります(ただし宝くじはこの確定申告の外にあります。これは購入時にすでにその支払い金額の約40%が地方税として支払われるからと言われています)。
ニュースで「脱税」などと言われるものには、こういうものを隠匿していた、申告しなかったということが含まれます。故意であろうと、なかろうと、です。
例え故意でなかろうと、申告しなかった、申告が遅延した、という場合は「本来支払うべき税金」に遅延金が加算された金額の支払いが求められます(日本の話、海外の話でも、「個人にはこないだろう」はないみたいですよ)。
なぜなら「納税」は日本国民の義務だからです。
ただし「所得全額」に課税がなされるわけではありません。「控除」といって、「全所得金額ー各種控除」という形で所得税および地方税などの軽減がなされます。お勤めされている方の最低限の例としては「全所得金額ー(社会保険料控除+基礎控除)」にて税金額が確定さているのかな?
こういったものの他、例えばですが、思いもよらない震災関連で通常出す必要のない支出が出たとか、今まで扶養家族(子供あるいは今まで働いていた人間が働けなくなったなど)がいなかった家庭に扶養家族がでてきたなど、国や税務署が知り得ない個人個人の突発的都合というものがあります。
あるいは、「ふるさと納税」なんかは皆さんよくやっていますよね?でも、上記のような突発的なものも、ふるさと納税も、個人のことで国民全体の話ではないので、そこは申告しないと「国(税務署)」は知り得ません。それをあくまでも「正しく」伝えることで、その年度の課税金額が多少緩和されます。
医療費控除もその一つです。
医療費控除とは
医療費控除というのは、「入院・手術にかかったお金」が軽減される制度ではありません。ここ、大事。
あくまでも任意の年度、例えば2026年2月から3月の確定申告においては、2025年1月1日から2025年12月31日の一年間においてかかった医療費全体およびその周辺に関して申告する形となります。
ただし、個人で加入している保険などが下りている場合は、「入院手術代」全額で申告するのではなく、「入院手術代ー保険料」で申告することになるため、最終的に入院手術費用含め一年分全ての医療費をかき集めても控除に至らない場合もあります。
とはいえ、医療費控除の場合は、同一家計の中で医療費がかかった人間全てにおいて申告することができるため、家庭のある方の場合申告できるケースは多いかもしれません(例:夫婦と幼い子供二人の場合、家族4人の生活を同一の家計費で支払ってるため、申告者は申告者だけでなく、その配偶者および扶養家族である子供の分も申告できる)。
あくまでも確定申告において申告できる「控除」なので、「入院・手術した」すぐに申請できる話ではなく、2026年に「入院・手術した」なら、2027年の確定申告で申告して初めて「控除」されるという時間を要するものとなります。
また、ただ「数字を記入するだけ」ではなく、必ず「証拠」が要ります。医療費通知で全てが済む場合もあれば、医療費通知がない、あるいは医療費通知に「一部のみしか記載されていない」などの場合もあるため、医療機関からの領収書は全て取っておいたほうが助かります。すなわち、2026年に2025年度の確定申告をする場合、2025年1月1日から2025年12月31日までにかかった全ての医療費関連の領収書が要ります。
またそれらの領収書を5年間保安する必要性があります(場合によっては税務署が証拠の提示などを求めてやってくる場合があります)。
加えてよくよく誤解があるのですが、例えばドラッグストアで購入したなんらかのものを「医療費控除」に入れるということは、大体無理です。医療費控除に入れられる購入物の基本は、「医師の指示や許可がある(その証拠がある)」「それがないと生存できない」「それがないと寝込んだままなど、基本的な生活が不可能である」と考えるべきだからです(そのサプリなどがないと「死に至るのか?」「立てなくなるのか?」など、そういうことです)。
また、申告する際に「どこで購入したものか」を記載する必要があるので、「ドラッグストア」購入(領収書必須なので、嘘は書けない)の何かがある一定金額以上書かれている場合、「本当に生存に必須の何かか??」と税務署に疑問視されることは前提かと…(よほど持病があり、専門医療機関に長年通い続けているという歴があるとかの証明必須になるのかな、と)。
私は税務署に直接書類を提出していますが、受理する前に担当の方が本当にじっくり書類確認しているので、担当さんが怪しいと感じた段階で何か言われるか、後日税務署が確認に来る場合もあると思います(そこはプロの勘もあると思います)。
書類を提出した、受理された、で終わりではなくて、その後税務署内で必ず監査があるはずと思います。例えば最終的にお金が「還付される場合」など、結構時間がかかってから還付されるのですが、それは絶対に「嘘がない」と確認されてからのことなはずです(脱税などが申告後すぐにニュースになるのではなく、ある程度時間経過があってニュースになるのは、その調査をしているからなはずです)。
こういう故意に「嘘」を申告したり、あるいは自己判断で「これも入れて大丈夫だろう」とやると、あとで罰金対象とかになることがありますので、「不安だな」と思う場合は必ず税理士さんや税務署(確定申告相談電話など)に相談することが大事です。
なお医療費控除に関しましては、改めまして別の記事にてもう少し書く予定です。
本日のまとめとして
確定申告の医療費控除は、前回や前々回にお話ししました高額治療費の限度額適用認定制度のように、直接的かつ早急にお金関係に効力のあるものではありません。
保険などで入院手術費のカバーができている場合は、他の一年分の医療費との兼ね合いで控除が不可能な場合があります。
反面、大体入院手術が要る時というのは、なんとなく一年間体調がおかしかったりするので、支払うべき税金額を減少させると同時に、次年度の地方税などのわずかながらの軽減などの可能性など、じわじわと「助かった」がでてくる方法だと思います。
また、ある程度の労力を要すると同時に、公平性真正性が求められるため、「嘘偽りない」ことが非常に大事になると思います。税金に関わることですので。
ただ、あくまでもこれを書いているのはこういったことを専門としない素人ですので、確定申告、医療費控除をする場合で、わからないなぁがあれば、税理士、税務署などの専門家に確認が必須です。私なんかももう10年以上は確定申告していますが、ほぼ毎年新規のわからない事態がでてくるため、確認しています。
こういうのは油絵の保存修復であろうとも、税金関係であろうとも等しく同じで、素人が素人判断ですることって大概「自分に都合のよいように判断する」ので間違うんです(苦笑)。そうではなく、必ず専門家を頼ること。確定申告に関しては、そういう相談電話なりなんなりを利用すると、無料で税理士に相談できるので、気軽に相談してほしいものです。
本日はここまで読んで下さり、ありがとうございます。医療費控除についてはまだ続きますので、次も読んでいただけましたら幸いです。ではでは、また~。

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